ギターのボディ形状にはさまざまな種類がありますが、その中でも「カッタウェイ」というデザインを見たことがある人は多いでしょう。カッタウェイとは、ギターのボディの一部がえぐられた形状のことを指し、主にハイポジション(高音域)での演奏をしやすくする目的で採用されています。しかし、カッタウェイにもいくつかの種類があり、それぞれに異なる特徴やメリットがあります。
本記事では、カッタウェイの意味や種類、さらにはその影響について詳しく解説していきます。
カッタウェイとは?
カッタウェイ(Cutaway)とは、ギターのボディのネック付近が部分的に削られたデザインのことを指します。このデザインにより、プレイヤーは高音域のフレットに容易にアクセスできるようになります。特にソロ演奏やリードギターを弾く際に重要な要素となるため、多くのギタリストに愛用されています。
カッタウェイの種類
カッタウェイには主に以下の2種類があります。
1. シングルカッタウェイ
シングルカッタウェイは、ボディの高音弦側(1弦側)のみがえぐられているデザインです。これにより、右手のピッキング時のバランスを保ちつつ、ハイポジションでの演奏がしやすくなります。代表的なギターとしては、
- ギブソン・レスポール
- フェンダー・テレキャスター
非常に当たり前ですが、高音弦側から手を回してフレットを抑えますから、非常に理にかなったデザインと言えますね。
歴史とともにいろいろな形のギターが出てきていますが、非常にスタンダードなモデルというのは見た目のデザインの良さとともに機能性も優れています。
それに対し、例えばフライングVなどはやはりかっこいいデザインですが機能的に普段使いしづらいという難点がありますよね。座って弾きづらく、膝に収まりがいい位置で弾くと今度は立って引いたときにギターのポジションが変わってしまうという扱いにくさがあります。
ちなみに筆者は音が意外と素直なので結構好きです。
カッタウェイの視点から見るとフレット側をVの細い部分にすることで一応ハイフレット側が弾きやすいように見えてきましたね…笑
しかし普通のカッタウェイのほうがやはり弾きやすいように思います。
2. ダブルカッタウェイ
ダブルカッタウェイは、高音弦側と低音弦側(6弦側)の両方がえぐられているデザインです。これにより、左右どちらの手もハイポジションへアクセスしやすくなります。特にテクニカルな演奏を多用するギタリストに人気があります。代表的なギターとしては、
- フェンダー・ストラトキャスター
- ギブソン・SG
- ギブソン・ES-335
カッタウェイの形状
カッタウェイには、えぐられた部分の形状にも種類があり、ベネチアンカッタウェイとフローレンティンカッタウェイというものがあります。この2つの用語はアコースティックギターに用いるものだという解釈が大多数(e.g. Gibson ES-335はベネチアンカッタウェイとはあまり言わず、SGはフローレンティンカッタウェイとはあまり言わない)のようです。
そもそもカッタウェイという用語自体がアコギに用いられることのほうが多いですが、今回はギターの形状として広く解釈しています。
ベネチアンカッタウェイ(Venetian Cutaway)
カーブが滑らかで、丸みを帯びたデザインが特徴です。見た目が柔らかく、クラシックな雰囲気を持つギターに多く採用されています。
その形状をそのまま英語で読んだラウンデッドカッタウェイと呼ばれることもあります。
フローレンティンカッタウェイ(Florentine Cutaway)
ベネチアンカッタウェイとは対照的に、カーブが急でシャープな形状をしています。このデザインは、よりアグレッシブな外観を求めるギタリストに人気があります。
こちらもその形状をそのまま英語で読んでポインテッドカッタウェイと呼ばれることもあります。
カッタウェイのメリットとデメリット
カッタウェイには、演奏性を向上させるメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
メリット
- 高音域の演奏が容易:ハイポジションでのフィンガリングがしやすくなる。
- 演奏スタイルに応じた選択が可能:ソロやリード演奏を多用するプレイヤーに適している。
- デザインのバリエーションが豊富:見た目の好みに応じて選べる。
デメリット
- ボディの共鳴が若干減る:特にアコースティックギターでは、ボディの形状が変わることで音の響きに影響を与える場合がある。
- 重量バランスの変化:ボディの形状が変わることで、ギターの重心が変わることがある。
やはりデザインと音はトレードオフになりがちですね。
まとめ
カッタウェイは、高音域の演奏をしやすくするために設計されたボディ形状であり、シングルカッタウェイやダブルカッタウェイなどの種類があります。また、ベネチアンカッタウェイやフローレンティンカッタウェイといった形状の違いも存在し、プレイヤーの好みや演奏スタイルによって選択肢が変わります。
特にソロ演奏やテクニカルなプレイをするギタリストにとって、カッタウェイの有無や種類は重要な要素となるでしょう。自分の演奏スタイルに合ったギターを選ぶ際に、ぜひカッタウェイの特徴を考慮してみてください。
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