レリック加工の魅力とその手法―ギターに命を吹き込む技術

初心者向け

レリック加工は、ギターや楽器にヴィンテージ感を与えることで、音楽ファンや演奏者たちの間で人気を集めています。新品のギターに独特の風合いや傷を加え、まるで長年使い込まれたかのような雰囲気を演出するこの加工は、見た目だけでなく、演奏する喜びも倍増させてくれます。

本記事では、レリック加工の目的や魅力に加え、その具体的なプロセスや注意点を詳しくご紹介します。初めてこの加工を知る方にも、プロセスに興味を持っている方にも参考になる内容をお届けします。

レリック加工とは

レリック加工は、エレキギターやアコースティックギターなどの楽器に対して、長年使用されたような風合いやヴィンテージ感を人工的に与える加工技術です。この加工によって、楽器に傷や錆、塗装の剥がれなどを意図的に加え、見た目や触感に味わいを持たせることができます。

ちなみに「レリック加工」はフェンダーの登録商標なのでその他のメーカー等による加工は「エイジド加工と呼ぶのが正式です。
ですが、本記事では便宜上区別せずにレリック加工という用語で説明させていただきます。

シャワートイレを全部ウォシュレットと呼んでしまうのと似てます

レリック加工の目的

1. ヴィンテージの再現

レリック加工の主な目的は、新しいギターにヴィンテージのような外観を与えることです。高価なヴィンテージギターを購入できない人々にとって、レリック加工されたギターは手頃な価格でクラシックな雰囲気を楽しむ手段となります。

一例としては下のような加工がされたギターになりますね

2. 個性の表現

レリック加工は、一つとして同じ加工が存在しないため、楽器に個性を持たせる手段としても人気です。加工の程度や部位をカスタマイズすることで、自分だけの特別なギターを作り上げることができます。

3. ステージ映え

傷や経年劣化を模した外観は、ライブ演奏やミュージックビデオなどで視覚的なインパクトを与えることができます。これにより、演奏者の雰囲気やスタイルを引き立てる効果があります。

ライブ映像で塗装が剥げて木がむき出しになったかっこいいギターを目にした人もいると思います!
プロが使っているのはおそらく本当に経年でそういった見た目になったものが多いと思いますが、その見た目を時間を経ずに手に入れることができるのがレリック加工の魅力です!

レリック加工のプロセス

1. 塗装の剥がれ加工

レリック加工では、塗装の一部を意図的に削り、使用による摩耗を再現します。たとえば、ボディの角やピックの当たりやすい部分をヤスリやサンドペーパーで擦り、自然な剥がれを演出します。

2. 金属部分のエイジング

ブリッジやペグ、ストラップピンなどの金属パーツには、錆や変色を再現する加工が施されます。酸化剤や化学薬品を使用して、短期間で経年劣化の効果を出します。

レリック加工されたパーツ単体で販売もされています。
購入して取り付ければ簡単にヴィンテージ感を出すことができますが、パーツだけレリック加工がされているとかえって不自然になってしまうので注意が必要です!

3. 傷や打痕の付与

ボディやネックには、小さな傷や打痕を加えてリアルな使用感を演出します。これは、工具や硬い物を軽く叩いて再現することが一般的です。

4. 塗装の黄ばみ

長年の使用で塗装が黄色く変色する現象を再現するために、特殊な塗料や薬剤が使用されます。この加工によって、ギターが古びた雰囲気を醸し出します。

5. 仕上げと調整

レリック加工の最終段階では、加工部分を全体的に馴染ませるための仕上げ作業が行われます。また、演奏性を損なわないように調整も行います。

やりすぎたら演奏性が損なわれるので、荒っぽいようですが機能はそのままに見た目だけを削るという絶妙なバランスが求められるわけですね

レリック加工の注意点

1. 過剰な加工に注意

自然な経年劣化を目指すため、過剰な加工は避けるべきです。不自然な傷や過度の錆は、かえって魅力を損なう原因となります。

2. 加工による耐久性の低下

塗装の剥がれや金属部分のエイジング加工は、ギターの耐久性に影響を与える可能性があります。そのため、加工後のメンテナンスが重要です。

プロセスを紹介しましたが、個人でするのはまったくおすすめしません。
最近SNSでも素人仕事のレリック加工が話題になっていたようですが、ただの傷ついたギターになる可能性が高いです。
そういったリスクを考えると使用していくうちに自然と適度な見た目になるのがやはり理想ですよね

まとめ

レリック加工は、楽器にヴィンテージの魅力を与えるだけでなく、演奏者の個性やスタイルを表現するためのユニークな手段です。そのプロセスには細かな技術が必要ですが、適切に施された加工は、ギターに独自の美しさと価値をもたらします。ギターに深みを与えたい方は、ぜひレリック加工を検討してみてはいかがでしょうか。

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