エフェクターのパフォーマンスを最大限に引き出すためには、適切な電源選びが不可欠です。多くのエフェクターは9V電源とセンターマイナス極性を採用していますが、実は製品によっては異なる電圧やセンタープラス極性が用いられる場合もあります。これらの仕様を正しく理解しないと、エフェクターの動作不良や故障の原因となる恐れがあります。
本記事では、電圧、電流、そして極性の基本知識を分かりやすく解説するとともに、具体例を交えて各仕様の重要性や注意点を紹介します。例えば、センタープラス仕様のエフェクターは、特定の古い機器との互換性を求める場合に見かけることがあり、また、9Vではなく12Vや18Vの電圧が必要なモデルも存在します。
正しいアダプターを選ぶことで、安定した動作はもちろん、長期にわたる信頼性を確保することが可能です。これから、各仕様の背景や選び方について詳しく見ていきましょう。
1. 電圧の基本とその重要性
エフェクターは、内部回路の設計に応じた定格電圧で動作するよう設計されています。
- 9Vが主流
現代の多くのギターエフェクターは9V電源を採用しており、その理由は安定性と汎用性にあります。9Vは手軽に入手可能な電源アダプターで、多くのペダル間で共通の仕様となっているため、複数の機器を同時に使用する場合にも便利です。 - 9V以外の電圧を必要とするエフェクター
一方で、特殊な回路設計や高出力を必要とする一部のエフェクターでは、12Vや18Vなど9V以外の電圧が指定される場合があります。たとえば、ディレイやリバーブ回路でより豊かな表現を追求するヴィンテージモデルや、オーバードライブ・フェイザーの一部の特殊設計モデルは、9Vではなく12V以上の電圧が求められることもあります。これにより、よりダイナミックなサウンドやパワフルなエフェクトが実現されるのです。
その他、下のEP Boosterなどは9Vでも動きますが18Vに昇圧することでまた違った音になるため使用者の中では18Vで使用する方もいます!
ただ、どのエフェクターでも昇圧できるわけではなく最悪壊れる可能性がある(特に空間系)ので、必ず昇圧対応しているかしっかり確認しましょう!
パワーサプライの中にはStrymon Zumaなどのように2端子分程度出力電圧を選択できるモデルもあるのでぜひチエックしてみてください!
2. 電流の理解と適切な選択
エフェクターの消費電流は、各製品の仕様書に記載されています。
- 必要電流とアダプターの余裕
エフェクターは定格電流以上の供給が必要です。たとえば、消費電流が200mAのエフェクターには、最低でもそれ以上の電流を安定して供給できるアダプターが必要です。実際、余裕をもたせた250mA以上の電流供給が望ましく、これにより急激な負荷変動にも対応でき、機器の安定動作が期待できます。 - 複数台接続時の注意
複数のエフェクターを同時に使用する場合、合計の消費電流を把握し、十分な供給能力を持つパワーサプライを選ぶことが大切です。電流不足は音質の劣化や、場合によっては機器故障の原因となります。
パワーサプライについては下の記事でまとめているのでぜひ見てみてください!
3. 極性の解説:センターマイナスとセンタープラス
エフェクターの電源プラグは、センター端子の極性によって大きく分かれます。
- センターマイナスが主流
現代のほとんどのギター用エフェクターはセンターマイナス設計です。これは、機器間の互換性を高め、誤接続によるトラブルを防ぐための標準仕様となっています。 - センタープラス仕様のエフェクター
一方、特定の古いヴィンテージ機器や、特殊なサウンドを追求する一部のエフェクターではセンタープラス仕様が採用されています。たとえば、1970年代の一部リバーブユニットや、独自の回路設計を持つフェイザー・ペダルでは、センタープラスが選ばれている例もあります。誤ってセンターマイナスのアダプターを使用すると、動作不良や内部回路へのダメージのリスクがあるため、仕様の確認は必須です。
ヤマハ製の音響機材などはセンタープラスのものも散見された印象なので、電圧や電流だけ見て転用することがないように注意しましょう!
ちなみにヤマハ製のエフェクターはというと変な端子だったり電池駆動だったりヒトクセあるイメージがありますね。
OctaverのOC-1なんかは名機とされていて、ボードに入れている人はその時点で布袋寅泰さんのファンか、あるいは 9mm Parabellum Bulletの滝善充さんのファンである可能性が非常に高まると言われています笑
強いこだわりがないとなかなかボードに入ってこないですからね…
4. 具体例と選び方の注意点
基本的には9Vセンターマイナスを選べば問題はないですが、それ以外の選択をする場合の具体例をいくつか挙げます。
- センタープラス仕様の例
あるヴィンテージリバーブユニットや、初期の実験的なオーバードライブペダルでは、センタープラス仕様が採用されていることがあります。これらは、古いアンプや周辺機器との互換性を保つため、または独自のサウンドカラーを実現するために設計された例です。 - 9V以外の電圧を必要とする例
また、最新のディレイエフェクターや、一部のハイゲインディストーションペダルでは、通常の9Vではなく12Vや18Vが指定されるモデルも存在します。これらのモデルは、より広いダイナミックレンジや高出力回路によるパフォーマンス向上を狙っており、使用する際は必ず製品仕様に従った電源を選ぶ必要があります。
選び方のポイント
1. 仕様書の確認:必ず製品の取扱説明書や仕様書で、必要な電圧、電流、極性を確認する。
2. 余裕のある電流供給:定格よりも余裕のあるアダプターを選び、負荷変動に対応できるようにする。
3. 極性の一致:センターマイナスかセンタープラスか、電源アダプターとエフェクターの極性が一致していることを確認する。
5. まとめ
エフェクターの安定動作と長寿命を実現するためには、電圧、電流、極性という基本仕様の理解と適切なアダプターの選定が重要です。多くの現代エフェクターは9V・センターマイナスを採用していますが、特定のヴィンテージ機器や特殊設計モデルでは、センタープラスや9V以外の電圧が指定される場合もあります。
各仕様を正しく理解し、使用環境に合った電源を選ぶことで、安心してエフェクターの多彩なサウンドを楽しむことができます。これからエフェクターを新たに導入する際は、本記事で紹介したポイントを参考に、最適な電源環境を整えてみてください。
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