ギターやベースなどのエフェクターを使うミュージシャンにとって、エフェクターボードは欠かせないアイテムです。エフェクターの数が増え、複雑な配線や接続が必要となる今日、効率的かつ安全に機材を管理できるボードの選定は非常に重要なテーマとなっています。
エフェクターボードには、頑丈で衝撃に強いハードケース、軽量で持ち運びに優れるソフトケース、そして配線の取り回しがしやすいすのこタイプの3つの主要なタイプが存在します。それぞれのボードは、保護性能、携帯性、使い勝手など、さまざまな面でメリットとデメリットを持っており、使用環境や演奏スタイルに応じた最適な選択が求められます。
本記事では、各タイプの特徴や具体的な使用例、注意点を踏まえた上で、エフェクターボードの選び方について詳しく解説していきます。これにより、自分のニーズに合った最適なボードを見つけ、より快適な音楽活動を実現するための参考情報を提供いたします。
1. ハードケース
ハードケースは、堅牢な素材で作られており、外部からの衝撃や圧力に対して高い保護性能を発揮します。しっかりとした構造により、演奏中の急な動きや予期せぬ落下などからエフェクターや配線を守ることができます。また、安定性に優れているため、設置した際にボードがズレにくい点も大きな魅力です。
一方で、その分重量が重く、頻繁な移動や持ち運びには不向きな場合があります。また、内部のコンパクトなスペースにより、配線のレイアウトに工夫が必要となる点もデメリットとして挙げられます。ハードケースを選ぶ際は、機材の安全性と安定性を最優先に考えるユーザーに適していると言えるでしょう。
楽器店で空のエフェクターケースを持ってみるとわかりますが、ケース自体の重さも案外馬鹿にならない重さをしています。
エフェクターが少ない間はある程度軽量で安価な素材のものを使って、エフェクターが揃ってきたら堅牢なエフェクターケースを購入するのが筆者としてはおすすめのムーブです。
軽量で安価なものは得てして内面のエフェクターを貼る布がマジックテープに負けて剥がれてきてしまうというあるあるがありますが、いっそ最初についていた布は諦めてマジックテープで張り替えてしまうというのが見栄えも変わって筆者おすすめです。マジックテープについては別の記事でまとめているのでよければご覧ください!
2. ソフトケース
ソフトケースは、軽量で柔軟な素材を使用しているため、移動の多いミュージシャンやライブ演奏が中心の方に人気があります。持ち運びやすさに加え、内部に複数のポケットや仕切りが設けられているモデルもあり、小物やケーブルなどを整理しやすい点が評価されています。
ただし、素材自体が柔らかいため、激しい衝撃や落下時の保護性能はハードケースに劣ることがデメリットです。また、経年劣化や過度の使用により、耐久性に不安が生じる場合もあるため、使用環境に応じた管理が必要です。ソフトケースは、携帯性と利便性を重視するユーザーにとって有効な選択肢となります。
ソフトケースは軽くて短距離やちょっとした移動にはいいんですが、基本的には中に入れるエフェクターが重いのであまりその恩恵を受けづらく、筆者としては適材適所での使い分けが必要かなと言った感じです。
ちなみにこの項を書くにあたり、うっかり「中に重いエフェクターが入っているので落とした時に速くエフェクターボードが落ちる」といった文意のことを書きそうになりましたが、それはガリレオ・ガリレイのピサの斜塔実験によって否定されているのでしたね。危ない危ない(何の話?)。
3. すのこタイプ
すのこタイプのエフェクターボードは、ボード部分が格子状(すのこ状)に設計されているのが特徴です。この構造により、ケーブル類やパワーサプライをボード裏側に通すことができ、配線の整理が非常に容易になります。見た目がすっきりするだけでなく、接続トラブルの防止にも寄与するため、複数のエフェクターを使用するユーザーに支持されています。
一方で、すのこ構造は表面の安定性がやや劣ることがあり、設置場所によってはボード自体が滑りやすくなる可能性もあります。また、素材や構造上、ハードケースほどの衝撃吸収効果が期待できないため、演奏環境や移動方法に応じた対策が求められます。すのこタイプは、配線管理の自由度と見た目のすっきり感を重視する方におすすめです。
まとめ
エフェクターボードは、単なる機材収納に留まらず、演奏中の安全性や作業効率に直結する重要なアイテムです。ハードケースは高い保護性能と安定性を提供する一方、重量や内部スペースの制約が課題となります。ソフトケースは携帯性や収納力に優れるものの、耐久性や衝撃吸収力に不安が残ります。そして、すのこタイプは配線の整理に特化しているものの、安定性や保護面での課題が見受けられます。
各タイプのメリット・デメリットを十分に理解し、自分の演奏スタイルや使用環境に最も適したエフェクターボードを選ぶことが、快適な音楽ライフの第一歩となるでしょう。
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