ギターの塗装の中でも特に人気が高い「サンバースト塗装」。その美しいグラデーションは、多くのギタリストを魅了し続けています。フェンダーやギブソンといった名だたるメーカーのギターにも採用され、クラシックなデザインとして定着しています。
しかし、サンバースト塗装と一口に言っても、さまざまな種類が存在し、それぞれに特徴があります。また、サンバースト塗装は単なる装飾ではなく、ギターの音色や耐久性にも影響を与える重要な要素です。
本記事では、サンバースト塗装の仕組みや工程、特徴について詳しく解説し、最後に代表的な種類についても紹介します。
サンバースト塗装とは?
サンバースト塗装とは、ギターのボディに施される特殊な塗装技法の一つで、ボディの外周から中心に向かって色が変化するグラデーションが特徴です。ヴィンテージギターをはじめ、多くのエレキギターやアコースティックギターで採用されており、視覚的な美しさとクラシックな雰囲気を演出します。もともとは木材の自然な風合いを活かしつつ、経年変化で発生する色の変化を再現する目的で生まれました。
木の感じを残しつつ塗装としての美しさもある非常に魅力的なカラーですよね。
サンバースト塗装のメリット
サンバースト塗装には以下のようなメリットがあります。
1. 視覚的な美しさ
グラデーションによる立体感が生まれ、シンプルな単色塗装とは異なる高級感が感じられます。特に木目を活かした仕上げの場合、木材のナチュラルな美しさと調和し、個性的なルックスが楽しめます。
2. ギターの保護
塗装には、ギターのボディを外部の湿気や温度変化から守る役割もあります。特にラッカー塗装の場合、経年変化による味わい深い風合いが出るのも魅力の一つです。
3. 小さな傷が目立ちにくい
ブラックなどの単色塗装と比べ、グラデーションが入ることで細かい傷が目立ちにくく、ライブやスタジオで頻繁に使用するギタリストにとってメリットとなります。
サンバースト塗装の工程
サンバースト塗装は、熟練の職人技が求められる繊細な工程を経て完成します。一般的な塗装プロセスは以下の通りです。
1. 下地処理
まず、木材の導管を埋めるために目止め剤を塗布し、表面を滑らかに整えます。この工程によって、塗装の発色が均一になり、より美しい仕上がりになります。
2. 着色
次に、スプレーガンを使って塗装を施します。外周の濃い色から中心の明るい色へとグラデーションを作りながら塗り分けていきます。この作業には非常に高い技術が求められ、均一な仕上がりにするには職人の経験が不可欠です。
3. クリアコート
着色後、ギターの耐久性を向上させるためにクリア塗装を施します。ラッカーやポリウレタンなどのクリアコートを使用し、光沢を出しつつ保護効果を高めます。
この過程を経ているからこそ遠くから見ても目を引く光沢のある仕上がりとなっているんですね!
サンバーストの魅力に取り憑かれると他の木目の見えない普通の塗りつぶす塗装がもったいないとさえも感じてしまう…
サンバースト塗装の種類
サンバースト塗装には、いくつかの代表的な種類があります。
1. スリーサンバースト(3トーンサンバースト)
外周がダークブラウン、中央が赤みがかった色合い、最も内側がイエローの3段階で構成された塗装。フェンダーのストラトキャスターなどでよく見られます。
改めて見るとダークブラウンの深みが凄いですよね…
2. ハニーバースト
外周がアンバー系のブラウンで、中心に向かってハチミツのような暖かみのある黄色になるグラデーション。ギブソンのレスポールなどに採用されています。
3. チェリーバースト
赤系のグラデーションが特徴で、外周がチェリーのような赤みを帯び、中心に向かって明るい色に変化します。
絵のさくらんぼというよりは、本当に熟したリアルなさくらんぼといった色合いですよね
4. タバコバースト
ヴィンテージギターに多く見られるカラーリングで、タバコの葉のようなブラウンが外周から中央に向かって変化する落ち着いたデザインです。
渋すぎる…
ちなみに筆者は過去にタバコバーストのカラーリングと迷ってスペック等総合的に見てローステッドパインにした経緯があります。
でもやっぱり改めて見ても良いカラーリングだなあー
あれ?筆者が買ったときよりも若干安くなっているか…?
気のせいでしょうか
まとめ
サンバースト塗装は、ギターの見た目の美しさだけでなく、木材の個性を引き立て、耐久性にも関わる重要な要素です。さまざまな種類があり、ギターの雰囲気や演奏スタイルに合わせて選ぶ楽しみもあります。サンバースト塗装のギターを手に取る際は、その美しいグラデーションがどのように作られているのかを意識してみると、さらに愛着が湧くことでしょう。
コメント