JHS Pedals 424 Gain Stage:伝説のPortastudioトーンを手元で再現する、実戦派ゲイン/プリアンプ

エフェクター

JHS Pedals 424 Gain Stageは、伝説的なカセット式MTR「TASCAM Portastudio 424」のプリアンプ回路をペダルサイズで忠実に再現したペダルです。オリジナルと同じオペアンプ(UPC4570/NJM4565)を採用し、弾力のあるローファイなクリーンから、じわっと潰れるファズ系の歪みまで幅広く作り分けられる点が最大の魅力です。

さらにバランスXLR(DI)出力を備えており、レコーディングやライブで直接ミキサーやインターフェイスにつなげる柔軟性も持っています。現代のギター奏者が求める“部屋録り感”やエッジの立った太いトーンをコンパクトに得られるため、ボードに置く価値のある一台です。

特徴とコンセプト

このペダルは単に「それっぽい音」を目指した設計ではなく、回路レベルでオリジナルを再現することを念頭に開発されています。具体的には、プリアンプの動作特性を決定づけるオペアンプを同系統で組み込むことで、テープレコーダー由来の温かみと独特の飽和感を自然に引き出しています。

アナログ回路の微妙な挙動を活かした設計により、わずかなノブの変化でも表情が大きく変わるため、音作りの楽しさが味わえる点が特徴です。

サウンドの特徴と使いどころ

音色は低ゲイン時に弾力のあるクリーントーンが得られ、ピッキングのニュアンスがよく伝わります。ゲインを上げると自然に飽和してファズ寄りの潰れたサウンドへと移行し、粘るような中低域の太さと荒さのある高域が楽曲に個性を与えます。

インディー系のギターリフや部屋録りでのリード、またアンプの前段でゲインステージとして重ねることで独自のテクスチャを作るのに非常に向いています。音のキャラクターは単なるローファイ劣化ではなく、意図的な色付けとして使える質感です。

中低域に厚みが出るため、リフやコードの存在感を強めたい曲で力を発揮しますね。

コントロールと操作性

パネル上はVolume、Gain1(Trim)、Gain2(Channel)、Bass、Trebleといったシンプルな配置で構成されており、用途に応じた直感的な操作感があります。

Gain1で入力段の増幅量を調整し、Gain2で第二段の出力感を作ることで、クリーンからオーバードライブ、フルオンのファズまで連続的にコントロールできます。

EQはBassとTrebleで大まかな音の輪郭を整える想定で、細かい補正が必要な場合は外部EQと組み合わせると実用的です。

加えて、ソフトタッチのバッファードバイパスを採用しているため、ペダルボード内で接続安定性が高く扱いやすい点も利点です。

Gainが2段構成になっているため、クリーンから潰し気味のファズ系まで直感的に作り込める点は実戦的ですね。

DI機能とレコーディング/ライブでの活用法

本機の大きな実用面として、バランスXLRのDI出力を備えている点が挙げられます。これによりアンプを通さずに直接ミキサーやオーディオインターフェイスへ送り、Portastudio由来の質感をダイレクトに録音することが可能です。

グランドリフト機能も備えているため、ステージでのハムやグラウンドループ対策がしやすく、ライブ環境でも安心して使用できます。スタジオワークではマイク録りとDIを併用することで、ミックス段でテープ感や飽和を加減してバランスを作れる点が魅力です。

マイク録りとDIを併用してミックス段で位相や飽和感を調整する使い方は、録音の幅を広げてくれます。

まとめ

JHS Pedals 424 Gain Stageは、伝統的なTASCAM Portastudio 424のプリアンプ回路を忠実にペダル化し、実戦で使える形に落とし込んだ一台です。弾力あるロー〜ミッドの太さと潰したときの味わい深いファズ感は、部屋録りや個性的なギタートーン作りに特に有効です。

DI出力やグランドリフトなどの実用機能も揃っており、スタジオでもライブでも運用しやすい懐の深さがあります。導入を検討する際は、手元で得られる音の個性と価格のバランスを比較してみるとよいでしょう。

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