「歪みペダル、結局どれを選べばいいの?」という悩みは、ギターを続ける限りずっと付きまといがちです。しかも歪みは“単体の音”だけで決まらず、ギター(PU)/アンプ/音量/弾き方/バンドや宅録の環境で印象が大きく変わります。
そこで本記事では、オーバードライブ・ディストーション・ハイゲイン(メタル系)を役割ベースで整理し、あなたの目的に最短で合う選び方をまとめます。さらに、当サイト内の個別レビュー記事へつながるように内部リンクも差し込み済みなので、気になる方向だけ深掘りできます。
結論:歪みペダル選びは「役割」で決めるのが最短です。
- 素の音を活かして前に出したい → オーバードライブ(常時ONの底上げ)
- リフやコードを主役にしたい → ディストーション(輪郭・攻撃力)
- メタル/ハードの“壁”がほしい → ハイゲイン(密度・低域整理が鍵)
- アンプっぽい弾き心地がほしい → マーシャル系などアンプライク
迷ったら「オーバードライブ」から始めると失敗しにくいです。次にDist/Hi-Gainへ広げると遠回りになりません。
目次
- まずは結論:あなたはどのタイプ?(30秒診断)
- 歪みの種類を“役割”で理解する
- 失敗しない選び方:5つのチェックポイント
- 音作りの基本:アンプ/EQ/つなぎ順
- 重ね掛け(スタッキング)で音が激変する話
- タイプ別おすすめ(当サイト内レビューへの入口)
- よくある質問(Q&A)
- まとめ:次に読むべき記事
まずは結論:あなたはどのタイプ?(30秒診断)
比較表:OD / Dist / ハイゲインを“役割”で選ぶ
| タイプ | 役割(ざっくり) | 音の特徴 | 向いている人 | 失敗しやすい点 | 当サイト内の入口 |
|---|---|---|---|---|---|
| オーバードライブ (OD) | クリーンの延長で「芯・粘り・音量感」を足す | 歪み量より中域のまとまりと弾き心地が効く | 常時ONで底上げしたい/ソロで前に出したい/歪みは控えめ派 | ゲインを上げすぎてモコつく/音量が揃わない | 透明系:Soul Food 透明系:Timmy 太さ系:OD-3 |
| ディストーション (Dist) | リフやコードを主役にする「輪郭・攻撃力」 | 倍音が増えてアタックが立つ。設定次第で抜けが激変 | ロックのバッキングを太くしたい/歯切れよく刻みたい | 低域が膨らんで抜けない/高域が痛い | 定番:DS-1 太さ:Distortion+ |
| ハイゲイン (Hi-Gain) | 密度と飽和感で“壁”を作る(メタル〜モダン) | 歪み量が多いほど気持ちいいが、ノイズ/低域が課題 | メタル/ハード系/重厚な音像を作りたい/ピッキングを揃えたい | 歪ませすぎて輪郭が消える/ノイズが増える | 王道:BE-OD |
| アンプライク (マーシャル系等) | “アンプっぽい”質感で歪みを作る(弾き心地重視) | EQとコンプ感が自然で、ギターのボリューム追従が良い傾向 | ペダルでもアンプ感がほしい/クランチ〜リードを1台でまとめたい | 環境次第で“思ったより歪まない”/音量調整が難しいことも | Plexi:1959 現場:DSL 代表:Guv’nor |
※迷ったら「オーバードライブ」から始めると失敗しにくいです。次に、欲しい方向(輪郭=Dist / 密度=Hi-Gain / アンプ感=アンプライク)へ広げるのが最短です。
①「クリーンは好き。ほんの少しだけ太く・前に出したい」
→ オーバードライブ(透明系〜中域寄り)が最優先です。常時ONで“素の音”を底上げする使い方が向きます。
関連記事: Soul Food(透明系の入口) / Timmy(トランスペアレント系の代表格) / BOSS OD-3(太さ重視の定番)
②「コードやリフを“ザクッ”と歪ませたい。ロックの芯がほしい」
→ ディストーションがハマりやすいです。輪郭・アタック・中低域の押し出しが要点になります。
関連記事: BOSS DS-1(原点) / MXR Distortion+(シンプル×太さ)
③「メタル/ハード系の“飽和したハイゲイン”がほしい」
→ ハイゲイン・ペダル(またはアンプライク系)を中心に組みます。ここはノイズ対策と低域の整理が勝負です。
関連記事: FRIEDMAN BE-OD(ハイゲインの王道)
歪みの種類を“役割”で理解する
オーバードライブ:クリーンの延長で、音の芯と粘りを足す
オーバードライブは、歪み量そのものよりも「弾いた瞬間の押し出し」「中域のまとまり」「音量の稼ぎやすさ」が武器です。特に宅録では、歪みを増やすよりも“前に出る帯域”を整えるほうが結果的にかっこよく録れます。
ディストーション:輪郭と攻撃力で、リフやコードを主役にする
ディストーションは、オーバードライブよりも歪みが深く、アタックや倍音が前に出やすい傾向です。重要なのは、低域が膨らみすぎない設定と、高域が痛くなりすぎない調整。このバランスが崩れると「うるさいのに抜けない」状態になりがちです。
ハイゲイン:飽和感と密度で、モダンな“壁”を作る
ハイゲイン領域では、歪み量を上げるほど気持ちよく感じますが、同時にノイズと低域の暴れも増えます。ここでは“歪ませる前の整理”が効きます(後述のスタッキングが重要)。
失敗しない選び方:5つのチェックポイント
1) 使う場所は?(宅録/スタジオ/ライブ)
宅録はマイクやIRの影響で高域が強く出やすく、歪みが「ジャリつく」ことがあります。逆にライブはバンドの中で中域が必要です。同じペダルでも“向く環境”が変わる前提で選ぶと失敗が減ります。
2) アンプは何系?(クリーン寄り/マーシャル寄り/モダン)
クリーンがきれいなアンプなら、ペダルが歪みの大部分を担当します。マーシャル系なら、ペダルは“足りない部分だけ”を補う発想が合いやすいです。
関連記事: Marshall 1959 Overdrive Pedal(Plexi系の入口) / Marshall DSL Overdrive Pedal(現場向きの太さと抜け) / The Guv’nor(マーシャル系ペダルの象徴)
3) ギターのPUは?(シングル/ハム)
シングルは高域が立ちやすく、歪みが薄く感じることがあります。ハムは中低域が太いぶん、歪ませるとローが膨らみやすいです。ペダルは「足したいもの/抑えたいもの」で選ぶと迷いにくいです。
4) 欲しいのは“歪み量”か“抜け”か
歪み量を増やすほど抜けが良くなるとは限りません。むしろ抜けは中域の設計で決まることが多いです。「録ると埋もれる」なら、歪みを足すより中域の出方が違うペダルを試すほうが近道です。
5) 1台完結か、2台で作るか
最近は“1台で全部”も可能ですが、音作りが楽になるのは2台運用(ブースト役+メイン歪み)です。次のセクションで具体的に説明します。
音作りの基本:アンプ/EQ/つなぎ順
基本のつなぎ順(迷ったらこれ)
ギター →(ブースト/OD)→(メイン歪み)→ 空間系 → アンプ
歪みの前にワウやコンプを置くかは流派がありますが、まずは上の順番でOKです。歪みの後ろにディレイ/リバーブを置くと、空間が濁りにくく扱いやすいです。
アンプのEQは「一旦フラット」に戻す
ペダルとアンプのEQを同時にいじると迷子になります。まずアンプのEQをフラット寄りにして、ペダル側でキャラを掴み、その後アンプ側で微調整すると速いです。
電源が不安定だと、歪みは一気に崩れる
歪みはノイズの影響を受けやすいので、電源環境が整うと“同じ機材でも別物”になり得ます。パワーサプライ周りが気になる場合は、先にここを固めるのが最短ルートです。
関連記事: エフェクター用パワーサプライの選び方
重ね掛け(スタッキング)で音が激変する話
歪みを「もう少しだけ太く」「ソロでだけ前に」したい時、ゲインを上げるよりも歪みを重ねるほうが扱いやすいことが多いです。
定番の2台運用(おすすめ)
- 透明系OD(常時ON)+ディストーション(リフ用):芯を保ったまま歪みを足せる
- OD(ブースト)+ハイゲイン:低域を締めて“モダンなタイトさ”が出やすい
- OD(太さ系)+OD(透明系):音量感と抜けの両立がしやすい
コツ:ブースト側は「歪みを増やす」より「低域整理」と「音量」を狙う
スタッキングが濁る原因の多くは低域です。ブースト側はゲイン控えめで、音量と帯域の整理を狙うと成功率が上がります。
関連記事(スタッキングの相性を見やすい組み合わせ例):
Soul Food → MXR Distortion+ / Timmy → BE-OD
おすすめの歪みペダル(目的別に最短で選ぶ)
「歪み」は同じカテゴリでも、音の太さ・抜け・コンプ感・レンジが全く違います。ここでは、当サイトの歪み系レビュー記事(全26本)を用途別に整理しました。気になる項目から“1本”選んで、各レビューで具体的なセッティングと向き不向きを確認してみてください。
1) 迷ったらこの3台(まず外さない“基準”になる歪み)
- BOSS BD-2 Blues Driver:ピッキングの強弱が出やすく、クランチ〜荒めのODまで“弾き心地”で選ぶなら基準になります。
- Electro-Harmonix Soul Food:原音のニュアンスを残しつつ前に出す“透明系”。常時ON運用やブースト用途にも強いです。
- BOSS SD-1 Super OverDrive:中域が整理されてバンドで抜けやすい“王道”。アンプの歪みを押し出す用途にも向きます。
2) TS系/ミッド押し(バンドで抜ける・ソロが前に出る)
- Ibanez TS808 Tube Screamer:いわゆる“TSの真ん中”。アンプに当てた時のまとまりやすさが強みです。
- BOSS OD-3 OverDrive:太さと素直さのバランス型。TSほどクセが強くない“万能寄り”の中域感です。
- Fulltone Full-Drive 2:TS系の発想をベースに、モードやブーストで実戦対応力を上げたタイプです。
- BOSS OD-1X:輪郭を保ったまま厚みを足したい人向け。現代的に“分離が良い歪み”を作りやすいです。
3) クラシック・ディストーション(ロックの芯/エッジを足す)
- BOSS DS-1:歪みの“原点”。音のキャラクターをはっきり変えて、ロックの質感を作りたい時に。
- BOSS DS-2 Turbo Distortion:歪み量と押し出し感を“切り替え”で作りたい人向け。曲中でキャラを変えやすいです。
- MXR Distortion+:シンプル構成で“太さ”を足す名機。荒さを武器にしたい場面に向きます。
4) アンプライク/ブリティッシュ(Marshall系の押し出し・箱鳴り感)
- Marshall “The Guv’nor”:JCM系の輪郭と粘りを足元で。ブリティッシュの“芯”が欲しい人に。
- Z.Vex Box of Rock:JTM45系のクランチ〜ドライブ。ピッキングで“アンプっぽく”歪ませたい時に。
- Marshall 1959 Overdrive Pedal:Plexiのニュアンスを狙う方向け。クラシックロックの“あの感じ”に寄せやすいです。
- Marshall DSL Overdrive Pedal:リズムもリードもまとめたい“現代Marshall”寄り。歪みの守備範囲を広く取りたい場合に。
- Fulltone OCD:オーバードライブ枠でも“アンプ感”を強く出したい時の定番。ロック全般で使いやすいです。
- Crowther Audio Hot Cake:独特の高域の割れ感と追従性。コードでもリードでも“味”を出したい人向けです。
5) 透明系/高品位(原音を残して“質感だけ”足す)
- MXR CSP027 Timmy Overdrive:原音の輪郭を保ったまま歪ませたい人向け。EQの効き方も扱いやすいです。
- VEMURAM Jan Ray:上質なクランチ〜ODの“艶”を作りたい方向け。ニュアンス系が好きなら要チェックです。
- Mad Professor Sweet Honey Overdrive:透明感と反応の良さを両立した方向性。クリーン寄りの音作りにも馴染みます。
- Xotic Soul Driven:中域が太くなりすぎない“上品なドライブ”。ギターのキャラを活かしたい人向けです。
- Klon Centaur:透明系の象徴的存在。クリーンの“押し出し”と倍音感を足したい時に。
6) 多機能/2in1(1台で複数キャラ・現場で切り替えたい)
- BOSS JB-2 Angry Driver:2つの回路を切替・組み合わせできる発想。ボード省スペースで幅を出したい人向けです。
- Suhr Eclipse:2チャンネル+EQで“作り込み”たい人向け。リズムとリードを同系統でまとめるのが得意です。
- Strymon Sunset:複数のODキャラを1台に集約した方向性。曲ごとに“歪みの役割”が変わる人に向きます。
7) ハイゲイン(モダンロック/メタルの主役歪み)
- FRIEDMAN BE-OD:ペダルで“アンプ級ハイゲイン”を作りたい人向け。リフの密度と押し出しを重視するなら候補です。
8) ファズ(質感で勝つ、別次元の歪み)
- VEMURAM Myriad Fuzz:ファズの存在感と扱いやすさを両立した方向性。歪みで“空気感”まで変えたい時に。
よくある質問(Q&A)
Q1. 最初の1台は何がいい?
迷ったら「オーバードライブ」を推します。理由は、歪みを“足す”だけでなく、音量・芯・弾きやすさにも効くからです。次にディストーションやハイゲインへ広げると、結果的に遠回りになりにくいです。
Q2. 歪ませるとノイズが増えて困る
まずは電源・ケーブル・接地を疑うのが早いです。そのうえで、歪みは低域が増えるほどノイズ感も増えるので、低域を締める設定や、2台運用で整理してから歪ませるのが効果的です。
関連記事: パワーサプライの選び方
Q3. “抜けない”のは歪みが足りないから?
多くの場合は逆で、歪みが多いほど埋もれることがあります。抜けは中域の設計と低域の整理で決まるので、歪み量よりも「どの帯域が出るペダルか」を意識すると改善しやすいです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 最初の1台はオーバードライブとディストーション、どっちがいい?
迷ったらオーバードライブが無難です。歪み量よりも「芯・音量感・弾き心地」を整えやすく、次にディストーションやハイゲインへ広げる土台になります。
Q2. オーバードライブとディストーションの違いを一言でいうと?
オーバードライブは“クリーンの延長で太さと前に出る感じを足す”、ディストーションは“輪郭と攻撃力でリフやコードを主役にする”イメージです。
Q3. 歪ませると「抜けない」のは歪みが足りないから?
多くの場合は逆で、歪みが多いほど埋もれることがあります。抜けは中域の設計と低域の整理で決まるので、歪み量より「帯域の出方」を意識すると改善しやすいです。
Q4. 自宅(小音量)だと歪みの音が気持ちよくならない…
小音量では低域が膨らみやすく高域が痛く感じやすいです。アンプEQを一度フラット寄りに戻し、歪み側はゲイン控えめ+音量で押すと、耳に刺さりにくくまとまりやすいです。
Q5. 宅録で歪みがジャリつく/カサつくのはなぜ?
録音では高域が目立ちやすく、歪みの粗さが強調されがちです。ゲインを少し下げて音量と中域で前に出す、またはブースト役を足して低域を締めると改善しやすいです。
Q6. スタッキング(2台運用)は何から始めればいい?
まずは「ブースト役(OD)+メイン歪み」が定番です。ブースト側はゲインを上げすぎず、音量と低域整理を狙うと濁りにくく成功率が上がります。
Q7. つなぎ順は「OD→Dist」と「Dist→OD」どっちが正解?
迷ったらOD→Distが扱いやすいです(ブーストで整理してからメイン歪みへ)。逆にDist→ODは音色変化が大きく、音量が暴れやすいので上級者向けになりがちです。
Q8. ノイズが増えるのが怖い。最低限どこを見直す?
電源とケーブルの影響が大きいです。まずは安定したパワーサプライ、次に配線の整理(余計な長さを減らす)を優先すると、同じ歪みでもノイズ感が下がることがあります。
まとめ:次に読むべき記事
歪みペダル選びは、ジャンルや憧れの音から入ってもOKですが、最短で当たりを引くには「自分の目的(役割)」→「環境(宅録/ライブ)」→「アンプ/PU」の順に整理するのが近道です。
ここから先は、気になる方向だけ深掘りしてください。
- 透明系で“素の音”を活かしたい → Soul Food / Timmy
- 定番ディストーションの基準点がほしい → BOSS DS-1 / MXR Distortion+
- マーシャル系の“本物感”に寄せたい → 1959 / DSL / Guv’nor
- ハイゲインで“壁”を作りたい → BE-OD
- ノイズや不安定さを潰したい → パワーサプライの選び方






コメント