FRIEDMAN BE‑ODは、Dave Friedmanが自ら設計した伝説のハイゲイン・アンプ「BE‑100」の音色を、そのままコンパクトペダルに凝縮した逸品です。LAシーンで鍛え上げられたツヤのある倍音と、トランジスタでは再現しきれない真空管独特の温かみを両立し、ソロからリフまで抜群の存在感を放ちます。
内部に配されたゲイントリマーと“TIGHT”コントロールにより、ヘビーなモダンサウンドからヴィンテージ風クランチまで、幅広いジャンルをカバーできるのも大きな魅力。ノイズを極限まで抑えつつ、細やかなアタックレスポンスを備えたそのサウンドは、プロ・ギタリストがスタジオやステージで求める“本物のディストーション”を実現します。
本記事では、BE‑ODの開発背景からサウンド特性、各コントロールの使いこなし、さらには応用的なサウンドメイクまでを詳解。ハイゲインペダル選びに迷うギタリスト必読の完全ガイドです。
開発背景とコンセプト
Dave Friedmanが手がけるBE‑100アンプは、そのリッチでダイナミックなハイゲインサウンドで欧米のトップ・プロギタリストに愛用されてきました。BE‑ODは「その音をいつでも、どこでも再現したい」という要望から生まれ、ペダル版として設計。堅牢なメタルシャーシやLEDインジケーター、内部調整可能なトリマーなど、ステージやツアーでのハードユースを意識したディテールも魅力です。
サウンドの深掘り
真空管由来の豊かな倍音構成とタイトなローエンドを高次元で両立。
- 倍音の豊かさ:BE‑100の特性を踏襲した厚みのある倍音が、リードプレイでは“歌う”ような伸びやかさを、リフワークでは厚みと切れ味をもたらします。ミックス内で埋もれないパワフルさが魅力です。
- レスポンスの速さ:ピッキングのニュアンスやギターボリュームの操作に瞬時に反応。クリーンから深いディストーションへの移行がスムーズで、多彩な表現が可能です。
- ノイズコントロール:内部トリマーと入念なシールド処理により、ハイゲイン領域でもハムノイズを極力抑制。大音量環境でも安心して使用できます。
比較的高価なコンパクトエフェクターに属すると思いますが、その分ノイズなどの面でプロユースにも対応できる安心感が感じられます。
各コントロールの使いこなし
- VOLUME:エフェクトON時の全体的な出力音量を設定。アンプのマスターボリュームと連動させることで、ブースト用途にも最適化。
- GAIN:9時~12時あたりで心地よいクランチ、全開近くでリッチなディストーションを得られます。プレイスタイルやギターのポジションで微調整を。
- BASS / TREBLE / PRESENCE:低域・高域・超高域をそれぞれ独立してコントロール。中域はBE‑100の“骨格”を大切にしつつ、必要に応じてEQをプラスするとバランス良くまとまります。
- TIGHT:つまみを左に回すほどローエンドに厚みが増し、右に回すほどタイトで締まったアタックが強調されます。モダンメタルでは少し右寄り、ヴィンテージクランチでは左寄りがおすすめ。
- 内部GAIN TRIMトリマー:工場出荷時は最大ゲイン設定ですが、ドライバーで回すことで適度にゲインダウンさせ、落ち着いた歪みを作り出すことが可能です。微調整でサウンドの応答性がさらに向上します。
かなりハイゲイン寄りなエフェクターで、抑え目のGAINでも思ったよりも歪んで驚くかもしれません。
しかし歪みを上げていってもそんなに音が痩せたり潰れたりする感じがないと思います。
サウンドメイク応用テクニック
- クリーンブーストとの併用
BE‑ODの前段にクリーンブーストを入れると、さらなる倍音の拡張とダイナミクス強化が可能。リードソロでの抜けを狙うときに効果的です。 - EQペダルで中域を絞る
BE‑ODの中域をほんの少しカットし、EQペダルで狙いたい帯域を強調すると、ミックス内でのキャラクターを際立たせられます。 - ワウとの組み合わせ
ワウをBE‑ODの前後どちらに配置するかでサウンドキャラクターが大きく変化。前段に置くとダイレクトなアタック感、後段だとアンプライクなウォーム感が強調されます。 - ボリュームスイープによる表現
ギターボリュームを活用し、クリーントーンから徐々にゲインアップ。BE‑ODのレスポンスの良さを活かしたダイナミックな演奏が可能です。
まとめ
BE‑ODは「いつでもどこでも本物のBE‑100サウンドを」というコンセプトを体現したペダルです。その豊かな倍音、優れたレスポンス、緻密なEQ設計により、スタジオからステージまで幅広く活躍。価格はやや高めですが、得られるサウンドクオリティと表現力は投資に見合う価値があります。ハイゲインペダル選びの最後の一台として、ぜひ試奏をおすすめします。
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