モジュレーション系は「音を揺らす」ことで、同じフレーズでも立体感・奥行き・動きを与えてくれるジャンルです。一方で、かけ方や順番を間違えると“酔う”“埋もれる”“輪郭が消える”など失敗もしやすいのが特徴です。
このページでは、コーラス/フェイザー/ロータリー/ピッチを軸に、用途→選び方→定番セッティング→おすすめ機材(レビューリンク)まで、最短で自分に合う答えにたどり着けるよう整理しました。
結論:迷ったら「目的」で決めるのが最短です。
- クリーンの艶・広がりが欲しい → コーラス(薄く常時ONが正解になりやすい)
- 一瞬で“曲の顔”を作りたい → フェイザー(浅め→深めの2段構えが強い)
- レスリー的な回転・浮遊感 → ロータリー(ステレオ運用で化ける)
- キー変更/ハモり/疑似ダウンチューニング → ピッチ(追従とレイテンシーの見極めが重要)
最初は「薄く・遅く・原音多め」から始めると失敗しにくいです。
目次
- まずはここだけ:失敗しない考え方
- コーラス:使いどころ/選び方/定番セッティング
- フェイザー:使いどころ/選び方/定番セッティング
- ロータリー:使いどころ/選び方/定番セッティング
- ピッチ:使いどころ/選び方/定番セッティング
- 歪み・空間系と“順番”はどうする?
- おすすめ(レビューまとめ)
- FAQ(よくある質問8つ)
- まとめ
まずはここだけ:失敗しない考え方
モジュレーションの失敗パターンは、だいたい次の3つです。
- かけ過ぎ:Depth(深さ)やMix(混ざり量)を上げすぎて、音程感が崩れる
- 速度が合っていない:Rate(速さ)が曲のノリとズレて“酔う”
- 順番が合っていない:歪みの前後でキャラが激変するのに、そこを試していない
コツ:最初は「薄く・遅く・原音多め」。Rateは9〜10時、Depth/Mixは控えめから始め、曲のテンポに寄せていくと外しにくいです。
コーラス:使いどころ/選び方/定番セッティング
コーラスは、原音に“わずかにピッチが揺れた音”を混ぜて、太さ・艶・ステレオ感を作るエフェクトです。弾き語り〜バンドまで、実は一番“常時ON”に向くのがコーラスです。
使いどころ(効く場面)
- クリーンのアルペジオ:芯を残したまま、空気感だけ足せます
- カッティング:ノリを崩さず“キラッと”前に出ます
- 歪みのリード:薄くかけると、ソロが一段前に出やすいです
選び方(ここだけ見ればOK)
- アナログ系:温かい/太い/馴染む(“正解になりやすい”)
- ビブラート寄り:揺れが明確/情緒的(雰囲気作りに強い)
- ステレオ対応:宅録・ヘッドホンで“別物”になりやすい
定番セッティング(まずはこれ)
- 常時ON艶コーラス:Rate 9〜10時/Depth 9〜10時/(Mixがあれば)原音多め
- 80s広がり:Rate 10〜11時/Depth 11時/ステレオなら左右感を意識
- リードに薄化粧:歪みの後段で、Depth控えめ+Mix控えめ
関連レビュー:
Walrus Audio Julia V2 /
BOSS CE-1 Chorus Ensemble /
Strymon DECO V2
フェイザー:使いどころ/選び方/定番セッティング
フェイザーは、周波数の山谷(位相)を動かして、“うねり・回転感・ワウに似た動き”を作るエフェクトです。コーラスより効果が分かりやすく、ハマると一瞬で曲がそれっぽくなります。
使いどころ
- イントロ/間奏の演出:薄くても存在感が出やすいです
- 歪みリフの立体化:中域の動きで“前に出る”感じが作れます
- クリーンの彩り:Rateを遅くすれば“酔い”が出にくいです
選び方
- 1ノブ系(SPEEDのみ):迷わない、結果が出やすい(最初の一台向き)
- 多機能系:ステージ数・タップ・特殊モードで“演出”が作れます
- 歪みの前後で試す:前=まとまりやすい/後=効果が派手に出やすい
定番セッティング
- 薄く常時ON:SPEED 9時前後(遅め)
- ソロで回す:SPEED 10〜11時+歪みの後段
- 曲芸モード:タップやモード切替で“動き”を曲に合わせます
関連レビュー:
MXR Phase 90 /
BOSS PH-3
ロータリー:使いどころ/選び方/定番セッティング
ロータリーは、レスリースピーカーの回転を模したエフェクトで、揺れ+空間+動きが同時に手に入るのが魅力です。特にステレオ環境では、音像の広がりが一気に出ます。
使いどころ
- クリーンのカッティング:音像が踊り、リズムが気持ちよくなります
- アンビエント/ポストロック:ディレイ・リバーブと組むと浮遊感が出ます
- ソロの見せ場:FAST/SLOW切替が“演出”になります
選び方
- FAST/SLOW切替が足元でしやすいか
- ブレーキ(減速→停止)の表現があるか
- DRIVE(密度・歪み感)を足せるか
- ステレオI/Oがあるか(宅録なら優先度高)
定番セッティング
- 薄ロータリー:SLOW主体+Mix控えめ(コーラス代わりにも)
- 見せ場ロータリー:FASTへ切替+BRAKEを曲のキメに合わせる
- アンビエント:ロータリー→ディレイ→リバーブ(ステレオ推奨)
関連レビュー:
BOSS RT-2 Rotary Ensemble
ピッチ:使いどころ/選び方/定番セッティング
ピッチ系は「音程を変える」ので、モジュレーションの中でもできることが別格です。選ぶポイントは明確で、追従(トラッキング)/レイテンシー/和音対応(ポリ)が重要になります。
使いどころ
- ハモり(3度・5度):ソロが“バンド級”に厚くなります
- 疑似ダウンチューニング:持ち替え不要で曲を回せます
- デチューン/ダブルトラック:音に太さを足せます
- シンセ的表現:ピッチ+シンセ系で別世界に行けます
選び方
- 和音で使うならポリ対応を優先
- ライブで瞬時に切替するならフット操作やプリセット性を重視
- 大きく動かす表現ならエクスプレッション等の連続制御があると便利
定番セッティング
- ハーモニー入門:Key設定+3度(曲に合わせてMajor/Minor)/Mix控えめ
- 疑似ドロップ:-1〜-2半音から(下げすぎるほど違和感が出やすい)
- ダブリング:Detuneをごく薄く+原音多め
関連レビュー:
BOSS PS-6 Harmonist /
BOSS XS-1 Poly Shifter /
BOSS XS-100 Poly Shifter /
PIGTRONIX Mothership 2
歪み・空間系と“順番”はどうする?
モジュレーションは前段/後段でキャラが変わるので、「正解は1つ」ではなく狙いで決めるのが最短です。
- 歪みの前:揺れが歪みに溶ける → まとまりやすく自然
- 歪みの後:揺れがくっきり出る → 派手で演出向き
- ディレイ/リバーブの前:揺れた音が残響へ → 立体的でおすすめ
- ディレイ/リバーブの後:残響自体が揺れる → 特殊効果(酔いやすい)
迷ったらこの順番から:
① 歪み →(コーラス/フェイザー/ロータリー)→ ディレイ → リバーブ
② ①が派手なら、(コーラス/フェイザー)を歪みの前へ移動
おすすめ(レビューまとめ)
ここでは、当サイト内のモジュレーション関連レビューを用途別にまとめています。気になった方向性から個別レビューへ進むのが最短ルートです。
コーラス/ビブラート系
- Walrus Audio Julia V2:表現力重視の揺れを作りたい人向け
- BOSS CE-1 Chorus Ensemble:太く温かいアナログ感の基準に
- Strymon DECO V2:テープ揺れで“広がり”を作りたい人向け
フェイザー系
- MXR Phase 90:最初の一台にしやすい定番
- BOSS PH-3:多機能で演出を作り込みたい人向け
ロータリー系
- BOSS RT-2 Rotary Ensemble:FAST/SLOW、BRAKEまで含めて現場で使いやすい
ピッチ/ハーモニー系
- BOSS PS-6 Harmonist:ハモりや厚みを最短で出したい人向け
- BOSS XS-1 Poly Shifter:疑似チューニングを手早くやりたい人向け
- BOSS XS-100 Poly Shifter:踏み込み表現やプリセット運用をしたい人向け
- PIGTRONIX Mothership 2:ギターを即席シンセ方向へ飛ばしたい人向け
番外編:トレモロも“モジュレーション”
- Strymon Flint:揺れ(トレモロ)+空間(リバーブ)で雰囲気をまとめたい人向け
FAQ(よくある質問8つ)
Q1. コーラスとフェイザー、最初の1台はどっち?
迷ったらコーラスです。薄くかけても破綻しにくく、クリーン〜歪みまで日常的に使える場面が多いからです。フェイザーは刺さる分、キャラも強めです。
Q2. モジュレーションは歪みの前?後?
自然に馴染ませたいなら歪みの前、演出として目立たせたいなら歪みの後が基本です。まずは「歪み→モジュレーション→空間系」から試すのが早いです。
Q3. ステレオ対応って本当に必要?
宅録やヘッドホン環境なら効果が大きいです。ロータリーやコーラスは、音像が一気に立体的になります。
Q4. “酔う”のを防ぐには?
Rateを落として(9〜10時)、Depth/Mixも控えめにします。さらに、残響の後段で揺らすと酔いやすいので、まずは空間系の前に置くのがおすすめです。
Q5. ピッチシフターのレイテンシーが不安です
下げ幅を大きくするほど違和感が出やすいので、まずは-1〜-2半音から試すと安全です。用途を限定すると満足度が上がりやすいです。
Q6. ハーモニー設定(Major/MinorやKey)が分かりません
曲のキーが分かれば最短です。分からない場合は、ユニゾン〜オクターブ、次に3度を試し、濁るならMixを下げて“薄く足す”方向にすると破綻しにくいです。
Q7. フェイザーの“深さ”が調整できない機種は困る?
困るというより、割り切ると強いです。1ノブ機は“結果が出る場所”が作られているので、まずは速度で曲に合わせる運用が向きます。
Q8. コーラスはリードで邪魔になりませんか?
邪魔になりやすいのはDepth/Mixが強すぎるケースです。リードでは薄く(Depth控えめ+原音多め)、置き場所は歪みの後段から試すと輪郭を保ちやすいです。
まとめ
モジュレーション系は「何を弾くか」よりも「どう聴かせたいか」で選ぶと、迷いが減ります。まずは薄く・遅く・原音多めで始めて、順番も入れ替えながら“自分の正解”を作ってみてください。
このページの「おすすめ」から気になる機材のレビューへ進み、具体的なセッティングや得意不得意を確認するのが最短ルートです。






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