MXR Phase 90 — ギターに瞬時の個性を与える定番フェイザー

エフェクター

MXR Phase 90は、つまみ一つで直感的に操作できるシンプルさと、演奏に混ざった瞬間に存在感を放つ独特の音色で長年愛されている定番フェイザーです。本記事では、このペダルの基本的な特徴から音の性格、実戦での使い方、歴史的な背景や著名なユーザー、そして購入時のチェックポイントまでを網羅的に解説します。

初心者が最初のモジュレーションとして選ぶ理由や、プロがサウンドメイクの一部として活用する実例にも触れ、M101など現行モデルの実用性とヴィンテージ個体の風合いの違いが分かるようにまとめました。この記事を読めば、Phase 90が自分の音作りにどう寄与するかを具体的にイメージできるはずです。

特徴と基本操作

Phase 90の最も分かりやすい特徴は、操作が非常に直感的である点です。本体に配置されたのはSPEEDノブのみで、つまみを回すだけで揺れの速度が変わり、ライブ中や録音で瞬時にセッティングを調整できます。このシンプルさが逆に利点となり、余計なパラメーターに気を取られず演奏に集中できるのが魅力です。

筐体は堅牢な金属製で、ペダルボードに載せての持ち運びや実戦使用にも耐える作りになっており、電源やバイパス仕様はモデルによって差があるものの、現行のM101は日常的な使用に配慮された設計です。

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サウンドの性格と使いどころ

音色は温かみがあって中域に独特の厚みを付けるため、ギターの存在感を増す用途に非常に向いています。高域が過度に強調されず、原音の輪郭を損なわないアナログ寄りの掛かり方をするため、リードや太めのリフにかけて“音を押し出す”用途で効果を発揮します。

逆に、軽やかなファンクのカッティングでのシャープな立ち上がりを求める場合は、やや重めに感じられることがあります。深めに掛けるとサイケデリックな揺れやフルレンジでのうねりが得られるため、楽曲の味付けや空間演出にも使える汎用性の高さが魅力です。

昨日の記事で紹介したBOSS PH-3 Phase Shifterはデジタル寄りの音なので、目的や用途に合わせて選択していきたいですね。

歴史と著名なユーザー

Phase 90は1970年代に登場して以来、ギタリストの定番ツールとして定着してきました。内部回路は比較的シンプルなフェイズ段構成でありながら、実際の演奏で聞こえる効果は大きく、これが長年の支持につながっています。

特にロック界ではエディ・ヴァン・ヘイレンの使用例が知られ、そのユニークなトーン作りに貢献したことがPhase 90の名声を高めました。ヴィンテージ個体と現行モデルでは回路や部品の差によるニュアンスの違いがあり、コレクターや音質にこだわるプレイヤーの間で評価が分かれる点も興味深い特徴です。

多くのマルチエフェクターにこのモデルが搭載されていることからも圧倒的な安心感がうかがわれます。
過去の記事でも何回か言及していますが、パラメータが多いのは空間系においては時としていいポイントを探りあてるのが難しくなる問題を生んでしまいます。
このワンノブというデザインはその点で非常な大きな強みを持っていると感じます。

実際の使い方とセッティングのコツ

実戦での基本は、浅めのSPEEDでクリーントーンやアルペジオの色付けを行い、スピードを上げてソロや空間系のアクセントに使うという二段構えです。歪み系ペダルと組み合わせると中域の出方が際立ち、リフを前に出すブースト的な使い方にも適しています。

逆に、ファンクやローファイな切れ味を重視する場面では、Phase 90単体だと重いと感じる場合があるため、トーンバランスを意識して他のエフェクトと組み合わせると良いでしょう。モデルによってはバイパス方式や電源仕様が異なるため、ペダルボードの運用を考慮した確認も忘れずに行ってください。

まとめ

MXR Phase 90は「つまみ一つで結果が出せる」点が最大の魅力であり、初心者からプロまで幅広く信頼される理由になっています。太めの中域と温かいアナログ感を求めるプレイヤーには特に相性が良く、ヴィンテージと現行の違いを踏まえた選択が重要です。購入前には実際に試奏して、自分のギターや使用するアンプ、歪み環境との相性を確かめることを強くおすすめします。

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