ギターサウンドに“重量感”と“揺らぎ”をもたらすStrymon DECO V2は、1950〜60年代のオープンリールテープマシンを忠実に再現しつつ、現代のペダルボードにフィットする最新機能を備えた2in1ペダルです。
テープデッキの入力レベルを上げることで得られるコンプレッションの効いたサチュレーション(ブースター/オーバードライブ)と、二台のテープマシンを使ったダブルトラッカー(ショートスラップバックからテープコーラス、さらにはディレイまで)の効果を自在にブレンドできます。
この記事では高品位JFET入力やステレオI/O、USB-C/MIDI対応など、ライブでもレコーディングでも活躍する機能を詳細に解説します。
テープサチュレーションセクション
Strymon DECO V2のサチュレーション部は、テープヘッドを“押し込む”ようにコンプレッション&オーバードライブさせることで、単なるブーストでは得られない太いゲイン感を実現します。クリーンアンプに接続すると、ヴィンテージアンプのヘッドルームが再現され、帯域全体にわたってクリーミーに膨らむサウンドが特徴です。
Blendノブで原音とのバランスを微調整できるため、ユニティゲインからフルブーストまで幅広く対応し、クリーンからクランチのニュアンスまで細やかなコントロールが可能です。
物足りない音を味付けしてプッシュしてくれるので、今持っている機材の音を1段階上のレベルに引き上げてくれるような夢のペダルと言えますね!
初めて見たときはノブが多くて驚きますが、右のチャンネルとは独立して操作できるので、直感的に使うことができます!
ダブルトラッカーセクション
ダブルトラッカー部はLag Timeノブで0〜500msの遅延時間を設定でき、9時未満ではテープフランジやコーラス、ショートスラップバックとして機能し、9時以降ではしっかりしたテープエコーとして動作します。
Wobbleコントロールを加えることでテープ特有の“ゆらぎ”をプラスし、フランジングから深いテープコーラス、リッチなテープディレイまで多彩な質感を生み出します。ステレオ出力では、原音+ショートディレイ×2の構成が左右に広がり、まるで二本のギターが同時に鳴っているかのような立体的なサウンドを体感できます。
とてもキレのいいディレイ音です!
気分に合わせてwobbleを加えるという選択ができる、楽しいエフェクターといえますね!
左のチャンネルとは全く違う機能を有しており、珍しいタイプのエフェクターともいえます
V2モデルでの主なアップデート
V2モデルではトーンノブが新搭載され、ダークからブライトまで音色の微調整が可能になったほか、オープンリール風の「Classic」とカセット風の「Cassette」を切り替えられるVoiceスイッチが追加されました。
外部コントロールはTRSエクスプレッション、Strymon MiniSwitch/MultiSwitch Plus、TRS MIDIジャックに対応し、USB-Cポート経由でのMIDI over USBやファームウェア更新もサポートします。さらにフルステレオ入出力とプレミアムJFET入力により、ギターのニュアンスを余すところなく伝達できる点も強化ポイントです。
アナログな音を作り出す一方で今流行りのハイテクなエフェクターといった感じですね。
Voiseスイッチは結構違ったキャラクターの歪みの音が出せるので、一粒で2度美味しい印象です!
セッティングと活用術
DECO V2はアンプ直前に配置するとサチュレーション効果が最大限に引き出せるため、歪み系ペダルの前後ではなくアンプ入力に近い位置がおすすめです。ステレオ接続でのダブルトラッキングは左右へのパンニングを活かし、演奏に豊かな広がりと厚みを加えられます。
また、Lag Timeを短めに設定して高めのBlendにすると、テープコーラスのような使い方も可能。ライブではスラップバックでリズムにアクセントを加え、レコーディングではテープエコーで空間表現を多彩に演出できます。
まとめ
Strymon DECO V2は、ヴィンテージテープマシンならではの温かみと揺らぎを、現代のギアボードにシームレスに融合した究極のペダルです。ToneノブやVoiceスイッチ、豊富な外部制御オプションを備え、あらゆるシチュエーションで唯一無二のテープサチュレーション&ダブルトラッキングサウンドを実現します。
クリーンサウンドに太さを加えたい方、リッチなテープエコー表現を求める方は、ぜひDECO V2のポテンシャルを体感してみてください。
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