コーラスの広がりも、フランジャーのうねりも好き。でも、いつもの揺れにもう少し変わった表情を加えてみたい。そんなときに気になるのが、Electro-Harmonix(EHX)のAdrian Belew Echoflangerです。
エイドリアン・ブリューが使ってきたEchoflangerをもとにした限定復刻モデルで、固定フィルターから短いエコーまで6つのモードを搭載しています。この記事では、モードの違いと操作の順番、ボードへ組み込む前に確認したい点を整理します。
Adrian Belew Echoflangerはどんなペダル?
Adrian Belew Echoflangerは、BBDを用いたアナログのモジュレーション・ペダルです。従来のFILTER MATRIX、FLANGE、CHORUS、SLAP BACKに、CHORUS + FLANGEとSLAP BACK + FILT. MATRIXを加えています。
メーカーが2026年9月に発表し、国内では島村楽器の10月7日付製品案内でも紹介されました。同記事の掲載価格は税込46,200円です。販売価格や在庫は変わるため、購入時は販売店の表示を確認してください。
名前にフランジャーと付いていますが、音を周期的に揺らさないモードもあります。コーラスやフランジャーの違いを先に整理したい方には、モジュレーション系エフェクターの種類と使いどころが役立ちます。
特徴は、定番の揺れに加えて固定したフィルターと短いエコーの組み合わせまで探れることです。6モードを順に試し、気に入った方向をノブで掘り下げる、という付き合い方がよさそうですね。
6つのモードは、揺れとエコーで分けると分かりやすい
まずは「自動的に揺れるか」「短い反復音を使うか」で整理してみましょう。各モードの基本動作は、EHX公式製品ページでも確認できます。
| モード | 基本的な働き |
|---|---|
| FILTER MATRIX | 揺れを止めたフィルター。TUNEで響きの位置を動かします。 |
| FLANGE | フィルターが周期的に動くフランジャーです。 |
| CHORUS + FLANGE | コーラスとフランジャーの性格を組み合わせます。 |
| CHORUS | 短い遅延音を揺らし、音に動きを加えます。 |
| SLAP BACK | 揺れを加えない短いエコーです。 |
| SLAP BACK + FILT. MATRIX | 短いエコーと固定フィルターを組み合わせます。 |
FILTER MATRIXは、フランジャーの動きを途中で止めたような考え方です。同じコードを鳴らしながらTUNEを少しずつ動かし、響きが気に入る場所を探すと役割をつかみやすいでしょう。自動的なうねりが欲しいときは、FLANGEへ切り替えて比べてみてください。
一方、SLAP BACKでは弾いた音の後ろに返ってくる短いエコーに注目します。音を遅らせる仕組みについては、アナログディレイとBBDの仕組みも参考になります。ここでは長い残響を作ることより、フレーズの隙間や厚みがどう変わるかを聴くと判断しやすいです。
CHORUS + FLANGEは、ブリューが旧機種のモード切替の中間位置で見つけた設定に由来します。ノブを無理に中間へ止めず、独立したモードとして選べるのは、復刻版らしい面白さですね。
音作りはFEEDBACKを控えめにして始める
動くモードと、動かないノブを区別する
最初はCHORUSかFLANGEを選び、FEEDBACKを控えめにして、RATEで速さ、WIDTHで揺れの幅を調整してみましょう。次にTUNEを動かし、同じ速さでも響き方がどう変わるかを確かめます。これは試奏時の進め方の提案で、特定の音を再現する固定レシピではありません。
FILTER MATRIX、SLAP BACK、SLAP BACK + FILT. MATRIXでは、RATEとWIDTHは働きません。SLAP BACKの間隔を変えるのはTUNEです。ノブを回しても変化しないときは、まずMODEを見直すと迷いにくくなります。
FEEDBACKを上げると、モードに応じて効果の強さや反復回数が増え、設定によっては発振します。試すときは小さめの音量から始め、音が膨らみ続けたらFEEDBACKを戻してください。細かな操作と注意点は公式取扱説明書にまとまっています。
BLENDは原音を加えるスイッチ
背面のBLENDは、ONで原音とエフェクト音を混ぜ、OFFでエフェクト音だけを出します。連続的なミックスつまみではありません。まずONで音を決め、OFFとの違いを聴くと、原音が支えていた輪郭や揺れの感じ方を比較しやすいでしょう。
原音との比率を細かく追い込みたい場合は、Walrus Audio Julia V2のD-C-Vノブが比較のポイントになります。Walrus Audio公式では、原音からコーラス、ビブラートへ連続的にブレンドできると説明されています。購入前は、必要なのがミックス量の細かな調整なのか、Echoflangerの複数モードなのかを考えてみると選びやすいです。
電源とステレオ接続で確認したいこと
本体の電源要件は9V DC・センターマイナス、消費電流は190mAです。付属アダプターは9.6V DC・200mAと案内されています。ボードの電源を使う場合は、空いている端子の電圧・極性・供給電流を確認してください。100mA出力では必要電流に届きません。
電圧と電流の見分け方が曖昧なら、エフェクターの電源選びと極性の基本で基本を確認できます。ほかのペダルで使えている端子でも、そのまま流用できるとは限らない点は押さえておきたいですね。
アンプ1台で使うときはMONO/L出力を使います。R出力はステレオ用ですが、左右の出力を外部でモノラルに合成すると、効果が弱まったり聴こえにくくなったりする場合があるとメーカーが注意しています。2本をまとめればよい、と考えず、接続先の入力方式に合わせましょう。
ボードへの設置は本体だけでなく、ケーブルを挿した状態で確かめたいところです。背面のBLENDへ手が届く余裕も見ておくと操作しやすくなります。配線が窮屈なら、パッチケーブルの長さとプラグ形状の選び方を参考に、プラグ同士が干渉しない組み合わせを考えてみてください。
まとめ
EHX Adrian Belew Echoflangerは、コーラスやフランジャーに加え、固定フィルターと短いエコーも楽しめる6モードのアナログ・ペダルです。普段のコードに少し動きを付けるところから、フレーズそのものの印象を変える音作りまで、操作を試す余地があります。
試奏では、まずBLENDをON、FEEDBACKを控えめにしてモードごとの違いを確認し、TUNEとBLENDの変化へ進むと整理しやすいでしょう。揺れの速さや深さだけでなく、響き方まで自分で探ってみたい方に気になる1台です。




