フランジャーのうねりは好きだけれど、曲によってはもう少し控えめに、音へ厚みだけを足したい。そんな使い分けを一台で探れるのが、MXR M226R Flanger/Doublerです。
昔のラック機をもとにしたアナログ・ペダルで、強い揺れだけでなく、短い時間差を重ねるダブラーも選べます。ここでは公式資料をもとに、二つのモードの違い、操作の順番、購入前に確かめたい接続と電源を整理します。
MXR M226Rは、うねりと厚みを作り分けるペダル
M226Rは、BBDというアナログの遅延素子を使ったフランジャー/ダブラーです。MXRのラック型Flanger/Doublerの考え方をペダルへ移したモデルで、国内では2026年9月30日の発売案内が出ています。
フランジャーは、短く遅らせた音と原音を混ぜ、時間差を動かしてうねりを作るエフェクトです。M226RではDOUBLERボタンを押すと遅延時間が長い領域へ切り替わり、コーラス風の揺れや短いスラップバックまで狙えます。メーカーが紹介する音の幅は、モリダイラの公式製品ページでも確認できます。
ポイントは、揺れの速さだけでなく、原音にどれだけ重ねるかまで調整できること。強い効果を必要なフレーズだけに使うのか、バッキングへ薄く足すのかで、同じペダルでも組み立て方が変わります。
なお、ダブラーは別の演奏を録音する機能ではなく、入力した音へ時間差を付けて重ねる仕組みです。二人で弾いた演奏そのものや、左右へ自動的に広がるステレオ機器を期待して選ぶと、用途がずれる可能性があります。購入時は販売ページの在庫・納期・商品の状態も確認しておきましょう。
最初はMIXを控えめにして、揺れの役割を分ける
五つのノブを一度に動かすと、何が変わったのか分かりにくくなります。まずは「混ぜる量」「揺れ方」「響きの強調」を分けて考えると整理しやすいです。
| 操作 | 主な役割 |
|---|---|
| MIX | 原音とエフェクト音のバランス |
| MANUAL | 遅延時間の中心となる位置 |
| WIDTH | 遅延時間を動かす幅 |
| SPEED | 揺れの速さ |
| REGEN | フィードバック量 |
以下は実機の試奏結果やメーカー指定のプリセットではなく、各操作の役割を確かめるための試し方です。まずDOUBLERをオフにし、MIXとREGENを控えめ、WIDTHを浅め、SPEEDを遅めにして、同じコードを繰り返してみます。そこからWIDTHだけを増やすと、揺れの幅を比較しやすくなります。
MANUALを動かすときは目盛りにも注目です。この機種は反時計回りのMAX側ほど遅延時間が長くなる設計です。一般的な「右へ回すほど値が大きい」という感覚だけで操作しない方が迷いません。WIDTHを最小にすれば自動的な揺れが止まり、MANUALによる位置の違いを確かめられます。
厚みを狙うときはDOUBLERをオンにし、MIXを低い位置から足してみましょう。まず短い単音フレーズ、次にコードで聴くと、音の輪郭と重なりを比べやすいです。効果が目立ちすぎるなら、SPEEDだけを遅くするより先に、MIXとWIDTHを戻す方法も試せます。
MIXの最大はウェットのみです。原音との混ざり方そのものが変わるので、単に「最大が最も強いフランジャー」とは考えない方が扱いやすいでしょう。INVERTはエフェクト音の極性を反転する切り替えです。設定を一つ決めてからオン/オフを比べると、その組み合わせでの響きの違いを判断できます。
コーラスやフェイザーとの役割の違いも整理したい場合は、モジュレーション系エフェクターの使いどころが参考になります。まず曲に欲しい動きを決め、その後で機種を選ぶと絞り込みやすくなります。
BF-3・Phase 90とは、操作と用途で比べる
同じ「揺れる音」でも、選ぶ基準は音色だけではありません。M226Rは、原音との混合や遅延時間を自分で調整したい人に向く構成です。一方で、足元でのテンポ調整や操作の少なさが優先なら、別の候補も見えてきます。
タップテンポやステレオ出力を重視するならBF-3
BOSS BF-3は、本体ペダルでのタップテンポ入力とステレオ出力に対応しています。これらはBOSSの公式仕様で確認できます。曲のテンポへ揺れを合わせたい人は、モードごとの使い方をまとめたBOSS BF-3 Flangerの解説も比較してみてください。
少ない操作でフェイザーを使いたいならPhase 90
MXR Phase 90は、SPEEDノブ一つで速さを調整するフェイザーです。M226Rと同じ効果を再現する機種ではありませんが、バッキングへ揺れを足す際の操作を減らしたいなら候補になります。MXR Phase 90の特徴と使い方では、シンプルな操作から音を探る方向を確認できます。
細かく調整することを楽しみたいか、演奏中の扱いやすさを優先したいか。購入前にこの順番を決めておくと、多機能な方を何となく選ぶことを避けられます。
接続と電源は、ボードへ入れる前に確認
音声端子とCV端子を区別する
M226Rの音声入出力はモノラルです。まずはギター、歪みペダル、M226R、ディレイやリバーブ、アンプという順を比較の出発点にできます。歪みの前へ移す方法も含め、同じフレーズで比べて、揺れが曲の中で目立ちすぎない位置を探しましょう。
INPUT LEVELにはINSTRとLINEの切り替えがあります。ギターからつなぐ場合はINSTRを基準にし、ラインレベルの機器ではLINE側と送り出す音量を確認します。アンプのエフェクトループも機種によって信号レベルが違うため、端子が合うだけで判断しないことが大切です。
CV IN/OUTは音声のステレオ端子ではなく、動きを制御するための端子です。CV INは0〜5Vの外部信号を受け、接続時にはMANUAL・WIDTH・SPEEDに代わって制御します。一般的なエクスプレッションペダルを無条件で使えるわけではないので、外部機器を使う場合は公式マニュアル(PDF)で対応を確認してください。
電源はDC9V、消費電流は160mA
公式マニュアルの電源仕様はDC9V・160mAで、電池には対応していません。推奨されるDunlop ECB003系アダプターや、条件の合うパワーサプライを用意する必要があります。
ボードの空き端子が9Vでも、1口あたりの供給電流が足りるかまで確認しましょう。電圧・極性・電流容量の見方は、エフェクターの電源選びガイドで整理できます。本機に使う電源は、本体表示と公式指定に合わせて選んでください。
まとめ
MXR M226R Flanger/Doublerは、フランジャーのうねりと、短い時間差による厚みを、原音とのバランスから作り込みたい人向けのペダルです。最初はMIXを控えめにして、WIDTH、SPEED、MANUALを一つずつ試すと、操作と音の変化を結び付けやすくなります。
購入前は、モノラルでの使い方が目的に合うか、細かな操作を楽しめるか、DC9V・160mAの電源を用意できるかを確認しましょう。ラック機の名前だけで選ばず、普段の曲に欲しい「うねり」か「厚み」かを決めるところから始めると、役割のある一台として選びやすくなります。




