ハイゲインのリフを弾いていて、低音をもう少し整理したい。曲中では別の音色へ切り替えたいし、弾かないところのノイズも気になる。そんな悩みをまとめて考えられるのが、Fortinの3.33です。
メシュガーのフレドリック・トーデンダルとの共同開発によるデュアル・ブースターで、国内代理店は2026年9月25日付の新製品情報で案内しています。今回は、2つのチャンネルの使い分けと、内蔵ゲート、アンプとの連動を整理します。
Fortin 3.33は、アンプの前で音を整えるデュアル・ブースター
3.33は、従来のシグネチャーペダル「33」を発展させたモデルです。各チャンネルにVolume、Bass、Trebleを備え、音量と低域・高域を個別に調整できます。そこへZUULのノイズゲート回路と、アンプのチャンネル切り替え機能を組み合わせています。
「デュアル」は2段を同時に重ねるという意味ではなく、足元で選び分ける2つの音作りとして捉えると分かりやすいですね。音声の入出力も、ステレオの左右2系統ではありません。
いつものアンプに入る音を変え、2つの設定を踏み分けられることが本機のポイントです。自分の歪みの土台を決めたうえで、何を足したいかを考えると、機能を使い道へ結び付けやすくなります。
2つのチャンネルは、同じノブ位置でも比べてみる
メーカー公式の製品説明では、2つのチャンネルはそれぞれ異なるボイシングと案内されています。上段の赤LED側が「3」、下段の緑LED側が「33」です。同じ音を音量だけ変えて用意した構成、と決めつけないのがポイントです。
最初はアンプの設定を固定し、両チャンネルで同じ短いリフを弾いてみましょう。Volumeを控えめに始め、低音弦の膨らみと、ピッキングした瞬間の輪郭を聴き分けます。次にBassとTrebleを一つずつ動かすと、どの調整が必要か追いやすくなります。
使い方の案としては、一方を刻むリフ用、もう一方を少し厚みを残す単音用にする方法が考えられます。これは設定を探すための提案です。どちらのチャンネルが必ずリフ向き、という固定の役割は付けず、手持ちのギターとアンプで決めたいですね。
また、アンプがすでに深く歪んでいると、入力を上げても音量より歪みや圧縮感の変化が目立つ場合があります。「ソロで大きくしたい」のか「リフの反応を変えたい」のかを分けて確かめましょう。数字上のブースト量だけで選ぶより、実際に使う歪みと音量で比べる方が判断しやすいはずです。
ZUULは、短いリフと伸ばす音の両方で調整する
中央のZUULノブは内蔵ノイズゲートの調整用です。公式取扱説明書の2ページ目では、入力から検出用の信号を取り、ペダルのほかのコントロールの影響を受けない仕組みと説明されています。
調整は、まず普段弾くリフを使い、手を止めたときのノイズを確かめるところから。次に、弱く弾いた単音と長く伸ばす音を試します。短いブレイクが静かになっても、残したい音まで早く消えてしまうなら設定を戻して比べましょう。
ゲートを独立したペダルとして選びたい場合には、BOSS NS-2の接続と調整方法も比較の入口になります。BOSS公式ではSEND/RETURNで歪みペダルを取り込み、THRESHOLDとDECAYで動作を調整できると案内されています。3.33へブーストとゲートをまとめるか、別々の機材で組むか、という違いで考えたいところです。
内蔵ゲートがあるからといって、接続先のアンプを含むすべてのノイズが消えるとは限りません。まず3.33のオン/オフで変わる部分を確かめ、アンプ側で生じているノイズや、ケーブル・電源に由来する問題を分けて探すのがおすすめです。
アンプ連動と電源は、購入前に確認しておく
どちらのフットスイッチでアンプを切り替える?
側面のAMP CHANNEL端子は、アンプのチャンネル切り替え用フットスイッチ端子へ接続するためのものです。ASSIGN CH/ONで、3.33のオン/オフ操作に連動させるか、3/33の切り替えに連動させるかを選べます。POLARITY N.C./N.O.は切り替わる向きを反転させる設定です。
たとえば「ブーストを入れる操作とアンプの切り替えをまとめる」「2つのブースト設定に合わせてアンプ側も変える」といった組み方を検討できます。ただし、アンプごとに外部切り替えの仕様は違います。端子の形が同じというだけで対応すると決めず、アンプ側の取扱説明書と合わせて確認してください。
さらに多くのペダルを同時に切り替える必要があるなら、スイッチャーの種類と役割も参考になります。3.33のアンプ連動で足りるのか、ほかのエフェクトのオン/オフもまとめたいのかを先に決めると、必要な構成を絞れます。
9V電源と、側面の操作スペースを用意する
電源は9V DC・センターマイナスで、消費電流は115mAです。電池には対応せず、外部アダプターやパワーサプライを使います。電源は付属しないため、手持ちの出力端子が条件を満たすかを購入前に見ておきましょう。100mA出力では公称消費電流に届きません。
エフェクターの電圧・電流・極性の基本を確認し、9Vで115mA以上を供給できる端子を選びます。別のブースターが18V対応でも、その条件を3.33へ当てはめないようにしてください。
本体の寸法は122×67×39.5mmで、ノブとスイッチを除いた値です。ボードには本体だけでなく、側面のプラグと設定スイッチへ手が届く余白も必要です。配線を作り直すなら、ソルダーレスケーブルの仕組みと注意点を参考に、音声ケーブルの長さと取り回しを考えるとよいでしょう。アンプ切り替え用ケーブルは、別途その接続仕様に合わせて選びます。
まとめ
Fortin 3.33は、2つのブースト設定を使い分けながら、ゲートとアンプの切り替えもまとめたい人に向くペダルです。特に、いつものハイゲイン・サウンドを土台にして、リフの低音やアタック、曲中の切り替えを追い込みたい場合に検討する意味があります。
試奏では両チャンネルの音色を比べ、その後にゲートを調整する順番がおすすめです。最後に、使うアンプとの連動条件、9V電源、配線の余白を確認する。音作りと足元の操作を一緒に見直したい方に、気になる一台です。




