クリーンのカッティングを整えたいけれど、ピックが弦に当たる感触は残したい。コンプレッサーを選ぶとき、圧縮の強さと同じくらい気になるのが、弾き始めのニュアンスではないでしょうか。
KeeleyのCompressor Plus Germaniumは、原音と圧縮音を混ぜるBLENDを備えたコンプレッサーです。25周年モデルとして回路にゲルマニウムを取り入れ、バイパス方式も選べるようになりました。今回は、4つのノブを試す順番と、ボードへ加える前に確認したいことを整理します。
Compressor Plus Germaniumはどんなペダル?
Compressor Plus Germaniumは、Keeleyのコンプレッサーを発展させた25周年モデルです。正規ディストリビューターの2026年10月6日付の発表では、同年10月上旬の出荷が案内されています。国内でも10月7日に販売店の新製品情報へ掲載されました。
メーカーによると、変更は記念カラーにとどまらず、音声出力部とサイドチェーンのフィードバック回路にゲルマニウムを使っています。ゲルマニウムという部品名からファズのような強い歪みを想像しがちですが、ここではコンプレッサーの反応や音色を作るための採用です。
注目したいのは、圧縮量を決めたあとに、原音を混ぜて弾き心地を調整できること。細かな回路の数値よりも、「伸びは欲しいけれどアタックも残したい」という自分の希望へ結び付けると、選ぶ理由が見えてきます。基本機能はKeeley公式製品ページで確認できます。
4つのノブは、COMPとBLENDを分けて考える
| ノブ | 主な役割 | 比較するときのポイント |
|---|---|---|
| LEVEL | 出力音量 | オン/オフの音量差 |
| COMP | コンプレッションとサステイン | 強弱のまとまりと、音の伸び |
| TONE | 音色の明るさ | 高音の輪郭と刺激の強さ |
| BLEND | 原音と圧縮音の混ざり方 | ピッキングの頭と、その後の伸び |
最初はクリーンで、一つずつ動かす
音作りを始めるなら、アンプをクリーンにし、ほかの歪みや空間系を一度切ってみましょう。COMPを控えめにして、LEVELでオフ時に近い音量へ合わせます。同じコードと短い単音フレーズを使うと、強く弾いたときと弱く弾いたときの差を比べやすくなります。
次にCOMPで伸び方を決め、その位置を保ったままBLENDで原音の割合を変えます。圧縮音を増やした状態と原音を多く残した状態を行き来し、カッティングの頭がどれくらい欲しいかを聴いてみてください。これは仕様をもとにした試奏の進め方で、実機で確認した推奨設定値ではありません。
本機にはSingle Coil/Humbuckerのスイッチもあり、回復の速さを切り替えます。まず使うピックアップに合わせて選び、ノブの働きがつかめてから両方を比較すると、変化を追いやすいでしょう。TONEとLEVELの仕上げは、その後に行うと整理できます。
「4ノブ」でも、調整できる内容は違う
比較対象としては、LEVEL・TONE・ATTACK・SUSTAINで調整するBOSS CS-3 Compression Sustainerの解説も参考になります。KeeleyではBLENDで原音を混ぜ、CS-3ではATTACKで立ち上がりを調整するという違いがあります。ノブの数だけで決めず、自分がどの部分を触りたいかで比べたいですね。
接続順とバイパスは、いつもの配線で確かめる
まずは歪みの前から試す
ボードへ組み込む出発点としては、ギターから本機へ入り、その後に普段の歪みを置く方法が考えられます。コンプ単体で音を決めてから歪みを加え、コードのまとまりや単音の伸びがどう変わるかを比べましょう。
前段のLEVELを上げると、後段へ入る信号の大きさも変わります。重ねた途端に歪みが増えたと感じたら、まずLEVELを戻して確認すると、圧縮の変化と後段の歪みを分けて聴きやすくなります。接続順を入れ替える場合も、同じフレーズと近い音量で比べるのがポイントです。
バッファードとトゥルーバイパスを選べる
本機はバッファード・バイパスとトゥルーバイパスに対応しています。ADGの案内では、フットスイッチを2秒間長押しして切り替え、LEDの2回点滅がトゥルーバイパス、3回点滅がバッファードを示すと説明されています。工場出荷時はバッファードです。
選ぶときは、短いケーブルで単体比較した音だけでなく、普段使うボード全体でも確認したいところです。配線を見直す際には、シールドの長さ・構造と選び方も参考になります。ギターからボードまでと、ボードからアンプまでを含め、いつもの長さで聴き比べましょう。
設置では本体の大きさに加え、ジャックへプラグを挿す余白も必要です。隣のペダルと詰めて置きたい場合は、パッチケーブルの長さとプラグ形状を確認し、ノブやスイッチへ無理なく触れられる配置にしておくと使いやすくなります。
電源と購入前に確認したいこと
メーカーが示す電源条件はDC9〜18V、センターマイナス、消費電流25mAです。最初は対応する9V電源から始めれば、電圧による違いを一度に考えず、コンプそのものの調整に集中できます。18Vを使う場合も、パワーサプライの出力電圧と極性を確認してください。
電圧・電流・極性の違いに迷ったら、エフェクターの電源選びの基本で整理できます。本機が18Vに対応していても、隣のペダルまで同じ電圧で使えるとは限りません。出力端子ごとに、つなぐ機材の指定を照合しましょう。
2026年11月1日の確認時点で、国内販売店には税込33,000円の掲載があります。在庫や納期は変わるため、注文時に確認してください。また、通常のCompressor PlusやCompressor Miniとは別製品なので、「Germanium」の表記まで見ることが大切です。
購入前の試奏では、弱く弾いた音の残り方、強く弾いたときの頭、演奏を止めたときのノイズを確かめたいところです。「ゲルマニウムだから好みの音になる」と決めず、普段のギターとアンプで、BLENDの調整幅が自分に役立つかを判断しましょう。
まとめ
Keeley Compressor Plus Germaniumは、原音を混ぜながらアタックとサステインのバランスを探せるコンプレッサーです。COMPで圧縮を決め、BLENDで弾き始めの感触を調整し、最後にTONEとLEVELを整える。この順番なら、4つのノブの役割を追いやすくなります。
クリーンを整えたい人も、普段の歪みへ伸びを足したい人も、まずは同じフレーズでオン/オフを比較してみてください。回路の変更だけでなく、原音の混ぜ方とバイパス方式が、自分のボードで役立つかを見極めて選びたい一台です。




