ディレイの深さを演奏中に変えたい。エフェクターだけでなく、録音用のプラグインも足元から動かしたい。そんな使い方では、エクスプレッションペダルの接続先や設定の違いが気になります。
Walrus AudioのCanvas Expression Pedalは、2系統の出力に加えてMIDIにも対応したコントローラーです。できることが多いぶん、最初に「何を、どの端子から動かすか」を決めると選びやすくなります。
Canvas Expression Pedalは、足の動きを複数の機器へ送るペダル
Canvas Expression Pedalは、接続した機器のパラメーターや動作を足元で操作するための製品です。ギターの音を通して歪ませたり、音量を直接絞ったりするペダルとは役割が異なります。
中心になるのは、A・Bの2つの出力です。それぞれをエクスプレッション、スイッチ、CVのいずれかに設定できます。2つの端子に、別々の役割を持たせられるのが選ぶうえでのポイントです。
- エクスプレッション:踏み込みに合わせて、接続先の値を連続的に変える。
- スイッチ:設定した踏み込み位置を使い、接続先へ切り替え操作を送る。
- CV:対応するシンセなどへ、操作用の電圧を送る。
さらに3.5mm TRSのMIDI端子とUSB-Cも備えています。機能の全体像や国内モデルの表記は、国内公式の製品ページで確認できます。
最初からすべての端子を使う必要はありません。まずは手持ちの機器1台に割り当て、操作したい場面が増えたら2つ目の出力やMIDIへ広げる考え方が合います。
2系統の出力で、連続操作と切り替えを組み合わせる
同じ踏み込みで、2台の変化をまとめる
たとえば、対応するディレイのエフェクト量と、別のエフェクターのパラメーターを一緒に動かす使い方が考えられます。どの値を操作できるか、最小値・最大値をどこで決めるかは、接続先の仕様にも左右されます。
出力ごとのカーブや動作方向を調整できるため、片方は踏むほど増やし、もう片方は減らす設定も可能です。ただし、設定は独立していても、動かす足元のペダルは1つです。2台を好きなタイミングで別々に動かしたいなら、操作をまとめることが本当に便利か考えておきたいところです。
踏み込み位置をスイッチ操作に使う
スイッチモードでは、かかと側・中間・つま先側のどこで反応させるかを設定できます。押している間だけ働くモーメンタリーと、状態を切り替えるラッチにも対応します。連続的に値を変える操作と、決まった位置で切り替える操作を組み合わせたいときに候補になります。
一方、2つのボタンを踏み分ける操作が中心なら、BOSS公式のFS-7のような方式もあります。踏み込み量を使う必要があるかを整理する際は、BOSS FS-7の特徴と使い方も参考になります。
MIDIなら、エフェクターやDAWの操作も割り当てられる
MIDIで扱うのは音声ではなく、機器を動かすための情報です。Canvas Expression Pedalでは、値の変化に使うCCと、プリセットの呼び出しなどに使うPCを送れます。受け取った情報を何に使うかは、相手側の設定が必要です。
たとえば、演奏中に手を離さずプラグインの効果量を変えたいなら、USBでコンピューターにつなぎ、DAW側で受け取るMIDI入力と操作対象を設定します。録音したギターの音声が、このUSB接続だけで取り込まれるわけではありません。
MIDIの割り当ては専用Webアプリで行います。公式説明書では、TRS MIDIとUSB MIDIにそれぞれ最大16のメッセージを設定でき、両者を独立して扱う構成が説明されています。
TRSで受信したMIDIをUSBへ、USBで受信したMIDIをTRSへ中継する機能はありません。パソコンと外部機器をつなぐMIDIインターフェースとして購入する場合は、用途が合わない点に注意してください。
最初はCCを1つだけ割り当て、動かす範囲を狭めて確認すると整理しやすくなります。接続方式と設定項目は、メーカーの公式マニュアルを見ながら合わせるのが確実です。
購入前は、接続規格・電源・足元のスペースを確認
「端子に挿さる」だけでは判断しない
エクスプレッション端子は、機器によって配線方式が異なります。Canvas Expression Pedalには配線方式の選択と自動検出の機能がありますが、自動検出には説明書に沿った操作が必要です。すべての接続が挿すだけで完了する、という意味ではありません。
購入前には接続先の説明書で、外部ペダルの種類と必要なケーブルを確認しましょう。3.5mmのMIDIはTRS Type Aです。CVを使う場合も、相手が求める電圧範囲を確認してから設定します。見た目が似た端子同士でも、用途を揃えることが大切です。
電源は独立した9V出力を用意する
メーカー指定はDC9V・センターマイナスで、300mA以上を供給できるアイソレート電源です。本体の大きさは幅91×奥行225×高さ48mm。電源と寸法は、Walrus Audio公式の仕様で確認できます。
ボードの電源を流用するときは、電源全体の容量だけでなく、使う出力端子の電流容量も確認したいところです。出力を独立させる考え方は、パワーサプライの選び方で整理しています。
設置場所は本体寸法だけで決めず、プラグの突き出しと足を動かす余裕も含めて考えましょう。ペダルを増やすときの土台選びは、エフェクターボードの種類と選び方で紹介しています。
踏むたびに本体がずれないよう、エフェクターの固定方法も合わせて見ておくと、ボードへ組み込む準備がしやすくなります。
まとめ
Canvas Expression Pedalは、2系統の出力とMIDIを使い、演奏中の操作を足元へ集めたい人に向く製品です。接続先を複数持っている人ほど、どの操作を一緒に動かすか考える余地があります。
選ぶ前に、「連続的に変えたい値」「切り替えたい機能」「接続する端子」を書き出してみましょう。対応規格と電源を確認し、必要な操作から一つずつ設定すると、このペダルを導入する目的がはっきりします。




