テープの飽和感をアナログ回路で作り、そこへ原音を混ぜられるドライブペダル。2026年9月29日の公式発表を受け、ここでは操作の考え方、DECO V2との違い、ボードへ入れる前の確認点を整理します。
La Breaはどんなペダル?テープの歪みと原音を並行して扱う
La Breaは、Strymonのアナログ製品群「Series A」に属するテープドライブです。テープへ強い信号を入れたときのサチュレーションを、2段のテープ風回路で表現します。テープを実際に走らせる機材ではなく、回路でその歪み方を作る仕組みです。
メーカーは、軽いオーバードライブからディストーション、ファズ的な質感までをカバーすると説明しています。ポイントは、その歪んだ音とは別にクリーンな経路があり、DRYノブで混ぜる量を調整できること。歪みの深さと、原音をどれだけ残すかを分けて考えられるのが特徴です。
入出力はモノラルで、バイパスはトゥルーバイパス。国内公式製品ページの参考価格は38,500円(税込)です。2026年10月20日時点では、国内販売店が10月23日発売予定として予約を受け付けています。発売予定日と実際の入荷・発送日は、購入する店で確認しておきましょう。
音作りのコツは、TAPE SAT・LEVEL・DRYの役割を分けること
ノブは3つですが、一般的な「歪み・音質・全体音量」という並びではありません。公式マニュアルでは、LEVELはテープサチュレーション側の出力、DRYはクリーン側の出力を独立して調整すると説明されています。
| 操作 | 役割 |
|---|---|
| TAPE SAT | テープ風の歪み量を調整します。 |
| GAIN | normは低〜中ゲイン、highはより高いゲインの範囲を選びます。 |
| LEVEL | 歪み側の出力を調整します。DRYも含めた全体のマスター音量ではありません。 |
| DRY | 原音側の出力を、オフから最大+6dBのブーストまで調整します。 |
| SHIFT | flatを基準に、highで高域、midで高めの中域を強調します。歪み側と原音側の両方に効きます。 |
まず歪みを決めてから、必要な分だけ原音を足す
以下は、公式の操作説明をもとにした設定の出発点です。最初はアンプをクリーンにし、SHIFTをflat、GAINをnorm、DRYを最小に。TAPE SATで歪みの質感を探し、LEVELでバイパス時との音量差を整えます。
そこからDRYを少しずつ上げ、コードや単音の聞こえ方を比べてみましょう。原音を足すと合計の音量も変わるので、LEVELとのバランスも取り直します。GAINをhighにしたときも、まず歪み側を決める手順なら各操作の変化を追いやすくなります。
DRYを増やしても、TAPE SAT自体の歪み量が下がるわけではありません。歪んだ音にクリーンな音を重ねる、と捉えると整理しやすいです。また、SHIFTでmidやhighを選ぶと原音側の音色も変わるため、完全に無加工の原音を混ぜるつもりなら、この点を覚えておきましょう。
クリーンブースターとして使う場合と、歪みを重ねる場合
LEVELを最小にすると歪み側が消え、DRYだけで音量を調整できます。最大+6dBまでのクリーンブーストにも使えるので、まずDRYだけを聞いてから歪みを足す方法も試せます。
ただし、その後ろのペダルやアンプが歪んでいれば、足した原音もそこで歪みます。「DRYを混ぜれば最後までクリーン成分が残る」とは限りません。重ねる順番から見直したいときは、歪み系エフェクターの種類と組み合わせ方も参考になります。
DECO V2・Fairfaxとは何が違う?欲しい効果から選ぶ
La BreaはDECOから着想を得ていますが、機能をそのまま小さくまとめた製品ではありません。同じStrymonでも、テープのどの性質を使いたいか、アンプ風の歪みを求めるかで選び方が変わります。
| 製品 | 選ぶときの軸 |
|---|---|
| La Brea | アナログのテープ風ドライブと、独立した原音ミックスを使いたい。 |
| DECO V2 | テープサチュレーションに加え、ダブルトラッキング、コーラス、フランジャー、短いエコーも使いたい。 |
| Fairfax | 小型真空管アンプを模したアナログ回路や、SAGによる反応の変化を音作りの中心にしたい。 |
DECO V2のBLENDは、2つのテープデッキに相当する信号の混ざり方を調整するもの。La BreaのDRYとは役割が違います。音の広がりや揺れまで一台に任せたいなら、Strymon DECO V2のテープサチュレーションとダブルトラッカーを確認すると、欲しい効果を絞りやすくなります。
Fairfaxは、真空管アンプのプリアンプ、パワーアンプ、出力トランスの振る舞いをアナログ回路で表現する設計です。SAGによる反応を調整したいなら、Strymon Fairfaxの特徴と使いどころが比較の手掛かりになります。La Breaは、テープ風の歪みと原音の配合を軸に選ぶと違いが明確です。
購入前に確認したい電源と、ボードへの組み込み方
内部24Vでも、接続する電源は9V
指定電源はDC9V・センターマイナスで、500mA以上を供給できるものです。電源アダプターは別売り。内部では24Vに昇圧しますが、これはペダルへ24Vを入れてよいという意味ではありません。外部から9Vを超える電圧をかけないことが、公式マニュアルに明記されています。
パワーサプライを使うなら、全体の合計容量だけでなく、接続する1口が9V・500mA以上に対応するかを確認します。電圧切替式の出力を使う人は、接続前の設定確認も忘れずに。エフェクター用パワーサプライの選び方で、出力ごとの容量やアイソレートの考え方も整理できます。
音色の呼び出しより、手元のノブで追い込むタイプ
本体の寸法は奥行約115.1×幅71.9×高さ59.2mm。MIDIやUSB、デジタルのプリセット機能はありません。曲ごとにノブの位置まで呼び出したい人には、この操作方式が合うかどうかが判断点になります。
ほかのペダルとまとめてオン/オフしたい場合は、外部ループに入れる方法があります。スイッチャーの仕組みと選び方を押さえておけば、踏み替えの整理を考えやすくなります。ただし、ループの切り替えでLa Breaのノブ設定まで変えられるわけではありません。
まとめ:歪みの深さと原音の配合を、自分で決めたい人へ
La Breaは、テープ風の歪みを作る部分と原音を混ぜる部分を、別々に調整できるアナログドライブです。TAPE SATで歪みを決め、LEVELとDRYで配合を整える。この流れを覚えると、3つのノブが何をしているかをつかみやすくなります。
ダブルトラッキングも欲しいならDECO V2、アンプを模した回路とSAGに関心があるならFairfax。La Breaは、テープ風の歪みに、原音をどれだけ足すかを追い込みたい人に向いた選択肢です。電源の条件と発売・入荷状況を確かめながら、自分のボードで担わせたい役割を考えてみてください。




