夜にギターを弾こうとして、いつものペダルボードから練習用の機材へつなぎ替える。そのひと手間で、今日は少しだけでいいか……となることはありませんか。気に入っている歪みや空間系を、そのままヘッドホンで楽しめたら便利ですよね。
EarthQuaker DevicesのStereo Easy Listeningは、そんな使い方を考えたいアナログ・アンプシミュレーターです。2026年9月14日には、国内販売店のchuya-onlineが発売を案内しています。今回は、ペダルボードの終端として何を任せられるのか、ステレオ接続や録音で準備するものまで整理します。
Stereo Easy Listeningは、ボードの最後に置くアナログのアンプ役
Stereo Easy Listeningは、アンプとキャビネットの質感をアナログ回路で作り、ヘッドホンやPAへ出力する機材です。メーカー公式の製品説明では、クラシックなアメリカン・アンプを思わせる音の方向性と、高いヘッドルームを特徴に挙げています。
音作りの中心はLevel、Aux、Bass、Middle、Trebleの5つ。Bass/Middle/Trebleは、各帯域を持ち上げたり削ったりできるアクティブEQです。複数のアンプモデルを探すよりも、手元のつまみでいつものペダルに合う土台を整える、という使い方が似合います。
本体にGainノブはありません。クリーンを基準にして、歪みが欲しいところは前段のオーバードライブやファズで作る、と役割を分けると分かりやすいですね。すでに好きなペダルが揃っている人ほど、その組み合わせを家でも使える点に意味があります。
なお、ここで扱うのはステレオ版です。オリジナルのEasy Listeningとは操作部や端子構成が異なるため、購入時には商品名の「Stereo」と、3バンドEQ・左右入力の有無を確認しておきましょう。
ヘッドホン練習とステレオ接続は、入力の使い分けから
まずは、ギターからいつものペダルを順につなぎ、その最後をStereo Easy ListeningのLeft入力へ。ヘッドホンは本体の6.35mm TRS出力につなぎます。3.5mmプラグのヘッドホンなら、ステレオ対応の変換アダプターも用意しておくと接続で慌てずに済みます。
Leftだけに入れたモノ信号は左右へ送られます。ただし、同じ音が両耳から聞こえることと、左右で異なる反射や揺れが広がることは別です。本機だけでコーラスやステレオ・ディレイが加わるわけではありません。
手持ちのステレオ・エフェクターの広がりを使いたいときは、その左右出力を本機のLeft/Rightへそれぞれ接続します。ボードの途中をモノラルのペダルに戻すと配線が変わるので、どこから左右2本になるのかを先に決めると組みやすいです。
ケーブルが増えると、長さだけでなくプラグの向きも気になります。配置を考える際には、パッチケーブルの選び方で扱っている長さや形状の選び方が参考になります。入力用のケーブルと、ヘッドホンやAuxで使うステレオTRS接続は、用途を分けて用意してください。
練習用の伴奏はAux入力から加えられます。Auxも6.35mm TRSのステレオ入力で、伴奏側はギター用のプリアンプやEQ、キャビネット・シミュレーターを通りません。まずギターの音を決め、それからAuxで伴奏との音量バランスを取ると、調整の順番がすっきりします。
スマートフォンを使うなら、端末側の音声出力に合うケーブルや変換機器が必要です。最初はLevelと伴奏の音量を下げ、ヘッドホンを着けてから少しずつ上げましょう。練習のたびに設定を探し直したくない場合は、気に入ったつまみ位置を写真で残しておくのも手です。
PA直結と宅録で、先に決めておきたいこと
本機には左右のXLR出力があり、PAや録音環境へ送れます。ヘッドホン出力とXLR出力は同時に使用可能です。家ではヘッドホンで聴き、録音するときはXLRから取り出す、と同じボードを使い回せるのは便利なところですね。
ただし、Stereo Easy Listening自体にUSBオーディオ機能はありません。パソコンに録音する場合は、別のオーディオインターフェースなどでアナログ音声を取り込む必要があります。ステレオで残したいなら、左右を受ける2入力と、録音ソフト側のトラック設定まで含めて準備しましょう。
| 使い方 | 接続の目安 | 先に確認すること |
|---|---|---|
| 夜の練習 | ボード → 本機 → ヘッドホン | ヘッドホンのプラグ径と音量 |
| 伴奏に合わせる | 音源の出力 → Aux入力 | 音源側の端子とステレオ対応ケーブル |
| ステレオ録音 | XLR左右 → インターフェース | 2入力の空き、入力レベル、左右の設定 |
| ライブの直出し | XLR出力 → PA | 使用チャンネル数とモニター方法 |
この準備をどこまで一台にまとめたいかで、選び方は変わります。USB録音やアンプモデルの切り替えも欲しいなら、BOSS IR-2の特徴と接続方法が比較対象になります。BOSS公式では、11種類のアンプ・タイプ、キャビネットIRの読み込み、USBでの録音・再生に対応すると案内されています。
Stereo Easy Listeningを選ぶ理由は、アナログのアンプ役を置き、手持ちのペダルとつまみ操作で音を仕上げたいこと。これから練習・宅録環境を一式揃えるなら、マルチエフェクター&小型プロセッサーの選び方も読みながら、必要な機能を洗い出すと判断しやすいと思います。
導入前は電源と、普段使う歪みの相性を確認
電源仕様はDC9V、2.1mmセンターマイナス、消費電流200mAです。日本語の公式製品ページは、9Vを超える電源を使わないよう案内しています。アナログ機だから少ない電流で大丈夫、と判断せず、接続する出力口ごとの供給容量を確認してください。
メーカーは独立した電源の使用を勧めており、デイジーチェーン給電ではノイズが出る場合があるとしています。パワーサプライの選び方で紹介している、アイソレート出力・電圧・電流を分けて確認する考え方が役立ちます。ボード全体の合計容量だけを見て終わらせないことがポイントです。
音作りは、まず歪みを切った状態でEQの基準を決め、次に普段の歪みペダルを一つずつ加える順番がおすすめです。低音が膨らむならBass、輪郭が引っ込むならMiddle、耳に当たる成分が気になるならTreble、と一つずつ動かすと変化を追いやすくなります。これは設定を探すための手順で、特定のつまみ位置がどのギターにも合うわけではありません。
また、普段アンプのスピーカーから聴いている音と、ヘッドホンで聴く音では感じ方が変わります。購入前に試せるなら、自分の歪みペダルとヘッドホンで、クリーン時と歪ませたときの両方を確認したいところです。多機能さの比較だけでは見えない、日常の使いやすさを判断できます。
まとめ
EarthQuaker Devices Stereo Easy Listeningは、いつものペダルボードをヘッドホン練習や直出しへつなぐためのアナログ・アンプシミュレーターです。左右の入力、XLR出力、Aux入力、3バンドEQをどう使うかが見えると、自分の環境に必要かどうかも判断しやすくなります。
手持ちの歪みや空間系が気に入っていて、その組み合わせを家でも弾きたい人には気になる一台です。録音用のインターフェース、ステレオ配線、9V電源まで含めて置き場所を決めておけば、ボードを出したあとに迷う時間を減らせそうですね。




